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カッティングするとリズムがヨレる人へ。ファンク系リズムギターの右手・左手を徹底解説

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カッティングって、耳で聴いている分にはすごく気持ちいいのに、いざ自分でやってみるとビックリするくらいうまくいかない奏法ですよね。「ジャカッ」というキレのいい音が出したいだけなのに、気づけばリズムがヨレていたり、音の粒がバラバラだったり。

コードを弾くこと自体は難しくないのに、なぜかカッティングになった途端に破綻する――そんな人は多いはずです。実はこれ、コードフォームの問題ではなく、右手と左手の「ミュート」の使い方が整理できていないことが原因であるケースがほとんどです。

この記事では、カッティングでつまずきやすいポイントを疑問形式で1つずつ拾いながら、右手のゴーストストローク・ブラッシング、16分音符のリズムの取り方、左手のミュートのコツまで順番に整理していきます。

目次

Q. そもそもカッティングって、普通のコードストロークと何が違うの?

A. 一番の違いは、「鳴らす音」と「鳴らさない音(ミュートした音)」を右手のストロークの中に混在させていることです。

普通のコードストロークは、基本的に「ジャーン」と全部の音を鳴らし続けます。一方カッティングは、右手は途切れず一定のリズムで動き続けているのに、左手や右手のミュートによって「鳴る瞬間」と「鳴らない瞬間」を意図的に作り出しています。

この「鳴らない瞬間」に出る、ノイズっぽい「チャッ」という音がPremier Guitarでも解説されている「ゴーストノート」と呼ばれるもので、これこそがカッティングを気持ちよく聴かせている正体です。音を鳴らすことよりも、鳴らさない部分をどうコントロールするかのほうが、実はカッティング上達のカギになります。

コードフォーム自体はパワーコードを弾くときと同じように、無理なく押さえられる形であれば十分です。特別に難しいフォームを覚える必要はありません。

Q. リズムがヨレるのはなぜ?右手はどう動かせばいいの?

A. 一番多い原因は、鳴らす音のタイミングだけを狙って右手を動かしてしまっていることです。

カッティングの右手は、鳴らす・鳴らさないに関係なく、常に一定のダウン・アップの往復運動を続けるのが基本です。ちょうどオルタネイトピッキングで一定の往復運動を保つのと同じ考え方で、鳴らしたい16分音符のタイミングだけ狙って手を止めたり動かしたりすると、どうしても手の動きが不規則になり、結果としてリズム全体がヨレてしまいます。

具体的には、右手を弦の少し上でずっと振り続けておき、鳴らしたいタイミングでは弦に当てて弾き、鳴らしたくないタイミングでは弦の上を素通りさせる(もしくは軽く触れるだけにする)、というイメージです。この「止めずに振り続ける」感覚が身につくと、ヨレは自然と減っていきます。

Q. 「ゴーストストローク」「ブラッシング」って具体的に何が違うの?

A. どちらも「音程のない、ミュートされた音」を出す動きですが、狙いが少し異なります。

  • ゴーストストローク:右手のピッキング自体は普段の弾き方と同じですが、弦を弾く瞬間に音程が鳴らない(左手でミュートされている)状態で弾く動きです。ストロークの往復運動を止めずに、リズムの「間」を埋める役割があります
  • ブラッシング:ピックや指の腹で弦全体を軽くこすって、パーカッシブな「シャッ」というノイズを出す動きです。ゴーストストロークよりもさらに音程感を消して、打楽器的な質感を強めたいときに使います

どちらも「弦に触れているけど音程は聞こえない」という点は共通していて、この鳴らない音を等間隔で挟み込むことで、カッティング特有の「ジャカジャカ」という密度のあるリズムが生まれます。慣れないうちは、この2つを厳密に使い分けようとせず、「ミュートした状態で普段どおり弾く」という感覚から練習を始めれば十分です。

Q. 音がバラつくのは、右手と左手どっちが原因?

A. 右手の弾く強さ・角度のブレも原因になりますが、多くの場合は左手のミュートのオン・オフが不安定なことが主な原因です。

カッティングでは、コードフォームを崩さずに、指の力を抜くだけで弦をミュート状態にする必要があります。このとき、フォームを崩して弦から指を離してしまったり、逆に力を抜ききれずに中途半端に音程が鳴ってしまったりすると、鳴らしたい音と鳴らしたくない音の差がはっきりせず、聴いた印象として「音がバラついている」ように聞こえてしまいます。

次の項目で左手の具体的な動かし方を解説します。

Q. 左手のミュートはどうやって力を抜けばいいの?

A. コツは、コードフォームの形はそのままキープしながら、フレットを押さえる圧力だけを緩めることです。

具体的な手順はこうです。

1. まずいつも通りコードをしっかり押さえて、クリアな音が鳴ることを確認する 2. 指の形・配置はそのままの状態で、フレットに触れるか触れないかくらいまで力を抜く 3. その状態で右手で弦を弾くと、音程のない「カッ」というミュート音が出る 4. 再び軽く圧力をかけて押さえ直すと、元のクリアな音に戻る

この「押さえる⇔緩める」を、コードチェンジのように指をフレットボードから完全に離さずに、その場で圧力だけを上下させるイメージで繰り返します。指を弦から浮かせてしまうと、ミュートに切り替わるまでのタイムラグが大きくなり、リズムがヨレる原因になるので注意が必要です。

慣れないうちは、コードを鳴らした状態からゆっくり力を抜いていき、「ここまで抜くとミュートになる」という圧力の境目を手の感覚で覚えていくのがおすすめです。この感覚はオルタネイトピッキングのフォーム作りと同様、頭で理解するより体に覚えさせる部分が大きい技術です。

Q. 16分音符のリズムがうまく取れません。何から練習すればいい?

A. いきなりコードを鳴らそうとせず、まずは音を鳴らさずに右手だけで16分音符を刻む練習から始めるのがおすすめです。

1. ミュートだけで16分を刻む:左手はコードフォームのままずっと軽く触れる程度の力にしておき、右手だけを「ダウン・アップ・ダウン・アップ」と一定に動かし続けて、ゴーストストロークだけで16分音符のリズムをキープする 2. 1拍に1音だけ開ける:4つの16分音符のうち、1拍目の頭だけ左手に力を入れてコードを鳴らし、残りはミュートのまま流す 3. 鳴らす位置を変えていく:慣れてきたら、2つ目・3つ目・4つ目の16分音符を鳴らすパターンに変えて、どのタイミングでも均等に音を出せるようにする 4. メトロノームで確認する:ゆっくりのテンポから始めて、右手の往復運動が崩れていないかを耳で確認しながら少しずつ速くする

ポイントは、鳴らす音の数を増やすことよりも先に、右手の往復運動そのものを崩さずキープできる状態を作ることです。焦って複雑なリズムパターンに挑戦するより、シンプルなパターンを正確に刻めるようになるほうが、結果的に上達が早くなります。

Q. ファンク系のギタリストって、具体的にどんな特徴があるの?

A. ファンク系カッティングの代名詞としてよく名前が挙がるのが、Chic(シック)のナイル・ロジャース(Nile Rodgers)です。

彼のカッティングは「チャック(Chuck)」と呼ばれる独自のスタイルで知られていて、Premier Guitarによると、右手はほぼ常に16分音符で振り続け、左手がそのうちのどの音を「鳴らす(オープン)」にしてどの音を「ミュート(チョーク)」にするかをコントロールする、という考え方が特徴だと紹介されています。つまり、ここまで解説してきた「右手は止めずに振り続け、左手で音の開閉をコントロールする」という基本の考え方を、極限まで突き詰めたスタイルだと言われています。

もう1人、ファンクギターの源流としてよく紹介されるのがジェームス・ブラウンのバンドで活躍したジミー・ノーレン(Jimmy Nolen)です。同じくPremier Guitarの記事では、彼の16分音符主体のスクラッチーなスタッカート奏法が、後のポピュラー音楽に欠かせない基礎になったと紹介されています。

いずれも「たくさん音を詰め込む」のではなく、どこを鳴らしてどこを鳴らさないかの引き算で、グルーヴを作っているという点は共通しています。カッティングの練習に煮詰まったら、こうした音源を「今、右手はずっと動いているはずだ」という前提で聴き直してみると、耳の解像度が上がっていくはずです。

Q. コードを変えながらカッティングすると、途端にできなくなります

A. これは、ミュートのタイミングとコードチェンジのタイミングが重なって、両方に気を取られてしまっているのが原因であることがほとんどです。

対策としては、コードチェンジの練習とカッティングのリズム練習を、いったん分けて考えるのがおすすめです。

  • まずコードチェンジだけを、ミュートなしの普通のストロークで、スムーズにできるようにする
  • 次に、1つのコードだけでカッティングのリズムパターンを体に覚え込ませる
  • 最後に、コードチェンジのタイミングを「ミュート(ゴーストストローク)のタイミング」に合わせる

特に3つ目が重要で、コードを切り替える瞬間は、鳴っている音を切り替えるのではなく、ミュートしている(音が鳴っていない)タイミングでこっそり指の形を変えてしまうのがコツです。ミュートの瞬間は耳に聞こえる情報が少ないため、多少もたついてもリズムの破綻として聴こえにくく、結果として滑らかなコードチェンジに聴こえます。

まとめ

カッティングでリズムがヨレたり音がバラついたりする原因は、コードフォームそのものよりも、右手と左手のミュートのコントロールにあることがほとんどです。

  • 右手は鳴らす・鳴らさないに関係なく、一定の往復運動を止めずに振り続ける
  • ゴーストストローク・ブラッシングで「鳴らない音」を作り、リズムの密度を埋める
  • 左手はコードフォームをキープしたまま、圧力だけを抜き差ししてミュートを切り替える
  • 練習はミュートだけの16分音符キープから始め、鳴らす音を少しずつ増やしていく
  • コードチェンジはミュートのタイミングに合わせるとスムーズになる

ナイル・ロジャースのように右手を常に動かし続けるスタイルは、突き詰めれば奥が深い世界ですが、基本の考え方はシンプルです。まずは音を鳴らさずに、右手のミュートだけで16分音符を一定に刻めるようになることから、気負わずに始めてみてください。

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