カントリー入門8曲|Dolly PartonからLuke Combsまで、歌とギターで一曲を見つける

カントリー入門なら、歌の物語から入るDolly Parton「Jolene」、演奏する姿から知るJohnny Cash「Folsom Prison Blues」、知っている曲の別歌唱から入るLuke Combs「Fast Car」からどうぞ。フォークやブルーグラスとの接点も含め、次に聴きたい一人を探す8曲です。
カントリーと聞くと、アコースティックギターやカウボーイの服を思い浮かべるかもしれません。でも、一曲を選ぶときはそこまで準備しなくて大丈夫。曲を書く人、歌う人、別の歌手へ渡る歌、映画から知られる作品など、入り方はいろいろあります。今回は年代を一気に覚える案内ではなく、気になった一曲からアルバムや作り手へ進むための道順をまとめました。曲名を知っているだけのところからでも始められます。
この記事の選曲基準
本人・レーベルの公式音源、正規配信、公式ライブから選曲しました。人気や売上の順位ではなく、物語、作家、ギターの参加者、収録作品、カバーという手掛かりを持つ曲を並べています。カントリーの全歴史や細かな分類を八曲で代表させるものではなく、周辺のフォークやブルーグラスへつながる作品も含めた入門です。ライブとアルバムのクレジット、元の録音と編集盤の日付を分けて紹介します。
おすすめ8曲の比較表
曲名を押すと各曲の解説へ移動します。プレーヤーが再生できない場合は「YouTubeで開く」の補助リンクをご利用ください。
| 曲・アーティスト | 入口にすること | 次に確認するもの |
|---|---|---|
| Jolene Dolly Parton | 歌の物語から入る | 同名アルバムへ進む |
| Folsom Prison Blues Johnny Cash | 歌う人と演奏の場面から知る | 歌の主人公と歌手を分ける |
| On the Road Again Willie Nelson | 旅や映画の話から知る | サウンドトラックとの関係 |
| Take Me Home, Country Roads John Denver & Nitty Gritty Dirt Band | 知っている旋律から広げる | 映画の日本語歌唱とは別録音 |
| Dust in a Baggie Billy Strings | ギターを弾く姿から寄り道する | 別の公演と区別して楽しむ |
| In Dreams Sierra Ferrell | 近い距離の歌とギターから知る | アルバムの録音とは別の版 |
| Fast Car Luke Combs | 知っている曲の別の歌い手を知る | Tracy Chapmanの作品をカバー |
| Heart Like a Truck Lainey Wilson | 近年の作品へもう一歩進む | 『Bell Bottom Country』収録曲 |
1. Dolly Parton「Jolene」
合わせたい聴き方:歌の物語から入る
カントリーを一曲から知るなら、Dolly Partonの「Jolene」を。掲載するのはBBCが公開する2014年Glastonburyの演奏です。本人の公式作品ページでは、1974年の同名アルバムの表題曲として確認できます。歌の内容も、夫を奪われるのではないかと恐れる女性が相手へ語りかける物語として説明されています。カントリーという言葉から、まず風景や衣装を想像していた人には、人と人の間の気持ちを描く歌から入る候補になります。歌詞を全部訳してからでなくても、誰が誰へ語っているかを知るだけで入口はできます。
このアルバムには「I Will Always Love You」も収録されています。別の歌手の歌で曲名を知っていた人には、Dollyの作品へ戻る手掛かりになりますね。同じ歌い手が書く曲でも、描いている関係や場面は一つではありません。一曲を聴いてアーティストの全てを決めるより、「Jolene」が気になったあとに、同じアルバムの別の歌へ進むと、好きなところをもう少し具体的にできます。
最初の聴き方としては、声の主がどの相手へ話しているつもりかを意識し、そのあとに伴奏へ関心を移してみます。歌の感情と楽器の印象を別々にメモしておく方法もあります。これは楽曲を正解どおり解釈するためではなく、自分が何に引っ掛かったかを知るため。悲しい物語だから音も一種類のはず、と題材だけで決めないようにすると、同じ曲へ戻るときの目印が増えます。
後半に紹介するLainey Wilsonへ続けるなら、女性が歌うという共通点を持ちながら、離れた時期の作品を聴くことになります。古い作品を予習として片付けず、いま自分が好きかどうかを一曲ずつ確かめてみてください。年代順に全部聴く必要はありません。まず「Jolene」と同名アルバムの関係だけ覚えておけば、曲を気に入ったあとに進む場所がはっきりします。
楽しみ方のヒント:2014年のGlastonburyでの演奏をBBCが公開する映像です。同名アルバムの録音や、別の歌手のカバーと同じ音声として扱わず楽しめます。
BBC公式/Glastonbury 2014 / YouTubeで開く
2. Johnny Cash「Folsom Prison Blues」
合わせたい聴き方:歌う人と演奏の場面から知る
Johnny Cashを一曲から知るなら、「Folsom Prison Blues」の公式ライブも選べます。ここではFarm Aidが公開する1993年の演奏を掲載しました。紹介文では、その年の4月24日にアイオワ州Amesで行われたFarm Aid VIの映像と分かります。曲名と歌う人だけでなく、どの会場のどの時期の姿を見るのかをそろえられる一曲です。古い曲を初めて知るときも、長い活動の全てを一度に覚える必要はありません。
今回の映像は、元のシングルやスタジオ録音をそのまま公開した音声ではありません。一曲を気に入ったら、あとから本人やレーベルの正規音源へ戻る順番でも楽しめます。初めにレコードで知る人と、演奏する姿から知る人がいてよいんです。動画の公開年と曲が最初に録音された年を混同せず、まず「1993年のこのステージ」と覚えておくと、別の公演へ進むときも違いを整理しやすくなります。
歌の物語を知る際は、歌っている人と、歌の中で語っている人物を同じものと決めないようにします。題名や言葉に出てくる場面を、歌手自身の実体験へそのまま置き換える必要はありません。声を好きになったあとで言葉の意味へ進むこともできますし、先に歌の背景へ関心を持つこともできます。どちらでも、事実としての歌手の歩みと、一曲の物語を分けて知る方が、その歌を長く楽しめます。
次のWillie NelsonとJohn DenverもFarm Aidの映像なので、歌手が違っても同じ公開元から音楽を広げられます。ただし、三つを同じ年、同じ出演者のステージとしてまとめないこと。Cashは1993年、今回の二つの演奏は1985年です。曲が気になれば歌い手の作品へ、会場に興味が湧いたら同じイベントのほかの演奏へ。公式の音楽映像から探すときにも、次の道が二つ残ります。
楽しみ方のヒント:Farm Aid VI、1993年4月24日の演奏です。刑務所での公演映像や、初期のスタジオ録音と同じものとして説明せず、掲載したステージを一曲として楽しみます。
Farm Aid公式/1993年のライブ / YouTubeで開く
3. Willie Nelson「On the Road Again」
合わせたい聴き方:旅や映画の話から知る
旅や道という題名が気になった人には、Willie Nelsonの「On the Road Again」。掲載はFarm Aidが公開する1985年の演奏です。本人の公式ストアでは、1980年の映画『Honeysuckle Rose』のサウンドトラックの冒頭曲として掲載されています。Willie自身が出演する映画であることも説明されており、一曲から音楽映画へ関心を広げられる候補です。カントリーを特定の服装や景色で決めるより、どんな作品と結び付いた歌なのかから知ってみてください。
公式の作品紹介には、本人のギター、ボーカル、プロデュースという役割に加え、Emmylou HarrisやJohnny Gimbleなど、参加する人の名前もあります。ここではサウンドトラック全体のクレジットを、掲載曲一曲の全参加者として読み替えないことが大切です。気になった歌が映画の作品集に入っているなら、同じ人の曲だけでなく、共演者の曲へ進めることもあります。曲とアルバムのどちらを見ているかを分けると迷いません。
Johnny Cashから続けて聴く場合は、歌手の名前を変えるだけでなく、自分がどんな声の運びを好きかを比べるつもりで置いてみます。高い低いという印象だけで終えず、言葉の区切りをどのように受け取ったかを残してみてもよいですね。ここでは音域の数字や歌いやすさの順位は付けていません。聴くための入門なので、自分がもう一回聴きたいと思った声を、そのまま次の作品選びに使えます。
一曲から作品へ進むときは、公式曲目表を見て、次に気になる名前か題名を一つ選びます。最初からサウンドトラック全てを通す時間がなくても大丈夫です。曲の背景を知ったあと、映画を観るか、本人の別のアルバムへ進むかは好みで決められます。旅行中に流す曲として知るだけでなく、映画と歌の関係から知る。題名の連想を、作品の具体的な情報へ一歩つなげるために置いた一曲です。
楽しみ方のヒント:1985年のFarm Aidでのライブです。『Honeysuckle Rose』は曲を知る作品の手掛かりですが、今回の映像を映画の音声やそのサウンドトラックの録音へ読み替えないようにします。
Farm Aid公式/1985年のライブ / YouTubeで開く
4. John Denver & Nitty Gritty Dirt Band「Take Me Home, Country Roads」
合わせたい聴き方:知っている旋律から広げる
曲名やメロディに聞き覚えがあるところから広げたいなら、「Take Me Home, Country Roads」。掲載するのはJohn DenverとNitty Gritty Dirt Bandが共演した、1985年のFarm Aidの映像です。日本語で歌われる別の版を知っていても、今回の動画はその音声ではありません。知っているつもりの曲を、歌い手と演奏の場面をそろえて聴き直すための一曲です。
公式サイトの『Poems, Prayers and Promises』では、この曲の作詞作曲者としてBill Danoff、Taffy Nivert、John Denverが確認できます。また、公式の40周年版案内では元のアルバムが1971年の作品と説明されています。歌手一人の名前だけでなく、共同で曲を書いた人の名前も知れるところが面白いですね。作られた作品を別の形で歌い継ぐことと、共作の曲を歌うこと。その両方へ関心を広げられます。
この選曲では、フォークやポップとの境目まで含めて入口を作っています。John Denverの作品をカントリー一種類の見本としてまとめるのではなく、知っている歌から周辺の音楽へ渡るために置きました。分類をきっちり覚える前に、自分がどの歌をもう一度聴きたいかを選んで大丈夫です。同じ歌が違う言語や別の演奏で知られていることも、一つの曲名から音楽を広げる楽しみになります。
ライブを選んだので、気に入った人は次にスタジオ作品へ戻って比べる方法があります。今回の演奏の長さや会場の反応を、アルバムの録音へそのまま移さず、一曲ずつ独立して楽しみます。「On the Road Again」と題名の連想が近くても、同じ場面を描く歌として一括りにはしません。誰が書き、どの作品で知れる曲かを一つ残しておくと、旅を感じる洋楽のリストから、アーティストを知る時間へ進めます。
演奏する人の姿から曲を知る方法を邦楽でも試すなら、アコースティック演奏の公式映像ガイドへ。弾き語り、一発撮り、ライブの違いを分けて楽しむ候補をまとめています。
楽しみ方のヒント:John DenverとNitty Gritty Dirt Bandによる1985年Farm Aidの演奏です。The Wildlife Concertの公演や、元のアルバム録音、日本語のカバーと同じ音声ではありません。
Farm Aid公式/1985年の共演 / YouTubeで開く
5. Billy Strings「Dust in a Baggie」
合わせたい聴き方:ギターを弾く姿から寄り道する
ギターを弾く姿から新しい歌手を知りたい人には、Billy Stringsの「Dust in a Baggie」。Music City Rootsが公開する2016年の演奏を選びました。番組側の説明にはLive From The Factoryと記されていて、どの演奏を見ているかが分かります。カントリーの有名な歌だけを先に全て覚えるより、好きな楽器を一つ手掛かりにする方が入りやすい人もいますね。ブルーグラスの演奏にも関心を広げる位置に置いた一曲です。
別の正規映像として、Grand Ole Opryが2019年の初出演時の演奏を公開しています。同じ曲名でも、この二つは別の場所で披露したものです。演奏する人の姿を見比べたいなら、まず掲載の一曲を見て、そのあと別の公演へ進む方法があります。どちらが決定版かを急いで決めなくても大丈夫。自分がまた見返したくなった場所があれば、そこから曲や歌手を覚えられます。
ギターを弾く人なら、最初から演奏を全てコピーしようとせず、歌のある場所と楽器へ注意を向ける場所を分ける回を作ってみてください。自分がどちらへ目を向けていたかが分かるだけでも、一曲の楽しみ方が変わります。逆に、楽器の名前をまだ知らない人は、歌を覚えるところからで十分です。細かな奏法を説明できることを、好きな音楽を選ぶ条件にする必要はありません。
Luke Combsのように知っている曲の別歌唱から入る方法と比べると、こちらは演奏者自身へ興味を持って進む入口になります。知らない歌でもギターが気になったなら、その理由で一曲を残せます。次は同じ歌手の別の演奏へ、あるいは番組が公開するほかの人へ。曲名と公開元を一緒に覚えておくと、アーティストの作品を掘る道と、演奏映像をたどる道をどちらも使えます。
声とギターから隣のジャンルへ広げたいときは、ブルースロック入門の公式音源ガイドもどうぞ。同じジャンルと決めつけず、別の演奏者を知る入口として比べられます。
楽しみ方のヒント:Music City Rootsの2016年の演奏です。2019年のOpryの映像などとは分けています。カントリーだけを一つの音へ固定せず、ブルーグラス周辺へ寄り道する候補としてどうぞ。
Music City Roots公式/2016年のライブ / YouTubeで開く
6. Sierra Ferrell「In Dreams」
合わせたい聴き方:近い距離の歌とギターから知る
大きな会場の映像とは別に、歌と楽器へ近い距離で目を向けたいならSierra Ferrellの「In Dreams」。GemsOnVHSが公開するセッションを選びました。同シリーズは、ステージの外でソングライターの演奏を記録する企画として案内されています。本人のスタジオ音源を映像化したものと考えず、この場での演奏を一曲として楽しむ入口にしてみてください。知らない歌手へ出会うとき、こうした公開元を一つ覚えると探す幅も広がります。
映像の紹介文には、Joseph Faison IVがギターで参加したことが記されています。歌う人の名前だけでなく、一緒に演奏する人の名前も残せるのが、このセッションを選んだ理由の一つです。画面の中で何を弾いているかを推測だけで決めず、公開元が示す役割を手掛かりにできますね。歌声を中心に見る回と、ギターとの関係へ関心を移す回を作る方法もあります。
同名曲はアルバム『Long Time Coming』にも入り、本人のBandcampでも収録作品との関係を確認できます。今回のセッションとアルバムの録音は別なので、気に入ったら作品へ戻って聴く楽しみが残ります。一曲の名前が同じでも、演奏する場所や参加者が変わる。Dolly Partonの大きなステージから入り、このようなセッションへ移るときも、それぞれを独立した場面として見られます。
この曲を入口にした人は、カントリーの年表を先に全てたどる必要はありません。Sierraのアルバムから次の一曲を選ぶ、GemsOnVHSの別の歌手へ進む、といった自分の順番でかまいません。Billy Stringsでギターの演奏に関心を持った人が、今度は歌のそばにあるギターを確かめる。そういう寄り道もできます。知らないジャンルを一つの正解へまとめるより、自分がまた戻りたい声を一人見つけるために置いた一曲です。
楽しみ方のヒント:GemsOnVHSのセッションで、ギターにはJoseph Faison IVが参加しています。『Long Time Coming』のスタジオ音源や公式MVと同じ録音として扱わず、それぞれの版を楽しみます。
GemsOnVHS公式/オフステージのセッション / YouTubeで開く
7. Luke Combs「Fast Car」
合わせたい聴き方:知っている曲の別の歌い手を知る
知っている曲を別の歌い手で聴くところから入るなら、Luke Combsの「Fast Car」。Country Music Hall of Fame and Museumが公開する、同館での演奏を掲載しています。曲を書いたのはTracy Chapmanで、Lukeの公式配信音源のクレジットにもその名前が記されています。ここで紹介するのはLukeの歌唱であり、Tracyの元の録音をカントリーへ分類し直す意味ではありません。演奏する人が変わることで、違う音楽の入り口になる例として選びました。
曲はアルバム『Gettin’ Old』でも聴けます。同作の正規配信に載る参加楽器には、アコースティックギター、エレクトリックギター、ベース、ドラム、鍵盤、ペダルスティールが挙がります。ただし、これはアルバムの録音のクレジットなので、掲載したライブ映像の全参加者を示すものではありません。曲名と作品名をそろえながら、録音とライブの情報を分けて知ると、別の演奏へ迷わず進めます。
カバー曲を比べるときは、どちらが上手いかを最初の問いにしなくても大丈夫です。自分が先に知っていた歌の何が残り、別の歌い手の声でどこを新しく受け取ったかを考えてみます。歌詞の物語は曲を書いた人の作品として尊重しつつ、演奏する人の選択を楽しむ。自分が知っている曲だからこそ、全く知らないジャンルへ渡るときの負担を小さくできる場合もあります。
同じ曲でも別の演奏や録音を分けてきたように、ここでも一つの曲から二つの方向へ進めます。Lukeの別の曲が気になれば『Gettin’ Old』へ、曲自体の原点が気になればTracy Chapmanの公式音源へ。カントリーの八曲から出発して、最後には別の分類の音楽へ広がってもかまいません。入門の目的は境界を守ることより、自分がまた聴く曲を見つけることです。
楽しみ方のヒント:Country Music Hall of Fame and Museumの会場で歌う演奏です。アルバム録音や、別の公式ライブ映像とは区別し、Tracy Chapman作の歌をLukeが歌う版として紹介しています。
Country Music Hall of Fame and Museum公式/会場での演奏 / YouTubeで開く
8. Lainey Wilson「Heart Like a Truck」
合わせたい聴き方:近年の作品へもう一歩進む
最後はLainey Wilsonの「Heart Like a Truck」。近年の作品へもう一歩進みたい人に置きたい一曲です。レーベルBMGの『Bell Bottom Country』発売案内では、この曲が収録されていることを確認できます。前半の有名な曲だけを聴いて終わるより、まだよく知らない歌手を一人残す。八曲を選んだ中で、この曲にはそんな役割を持たせています。
同じレーベルの案内では、作品は一曲のカバーを除き本人が共作した曲で構成されると説明されています。Dolly Partonで作家としての面へ、Johnny Cashで共作者へ目を向けたあと、現在に近い作品でも曲を書く人の役割を見てみる。そのようにつなげられます。歌う声や映像で最初に好きになった場合も、あとから作家の名前を知ることはできます。一度に全部理解しなくて大丈夫です。
「Jolene」と続けて聴くなら、同じ女性ボーカルというだけで似ていると決めず、自分がどんな物語や声を残したかを比べてみてください。曲名から思い浮かぶ情景と、歌を聴いて受け取ったことを分けておくと、二曲を同じイメージへ押し込めずに済みます。MVを見たあとには、画面の物語から少し離れて音楽だけを聴く回を作ってもよいですね。映像から好きになることも、声から好きになることも選べます。
次に進むなら、『Bell Bottom Country』の曲目から、もう一曲気になる題名を選ぶところから。レーベルの案内には「Watermelon Moonshine」なども挙がっています。今日の八曲を全て気に入る必要はなく、自分が戻りたい歌手を一人決められれば十分です。前半の曲へ戻る人も、ここから別の新しい作品へ進む人も、それぞれの入門になります。知らない音楽を、詳しい人の正解ではなく自分の一曲にしていきましょう。
楽しみ方のヒント:この曲は『Bell Bottom Country』の収録曲です。公式MVの説明にある別の新作の広告を、この曲の初出アルバムと混同しないようにします。
Lainey Wilson公式MV / YouTubeで開く
最初の一曲は、知っていることが一つある曲で
曲名を聞いたことがあるなら「Take Me Home, Country Roads」から、作曲する人の話が好きなら「Jolene」から、カバーの違いを聴きたいなら「Fast Car」から。年代順に並べ直して聴く必要はありません。自分が何を知っているかが一つ分かれば、知らないことを一度に増やしすぎずに済みます。反対に、全く聞き覚えのない声に引かれたなら、それをそのまま理由に選んで大丈夫です。
一曲を聴いたあと、歌手名、作品名、気になったものを一つだけ残してみましょう。声なのか、物語なのか、ギターなのかで、次に探す方向が変わります。歌手が気になれば同じアルバムへ、曲の原点が気になれば作った人や別の歌唱へ。音楽を探す単位が、ジャンルという大きな箱から具体的な一曲へ変わると、自分の好みを説明する言葉も少しずつ増えていきます。
クレジットを読むときは、曲・録音・アルバムを分ける
「Fast Car」の作者Tracy Chapmanと、歌うLuke Combsは別の情報です。「In Dreams」のJoseph Faison IVというギターの参加者も、セッション側の説明から分かる名前です。作品名や人名が多く見えても、いま知りたいのが曲を書いた人なのか、この演奏で参加する人なのかを分けると読みやすくなります。ここをそろえてから比べると、違う録音の情報を混ぜずに一曲を楽しめます。
もう一つ分けたいのが日付です。古い録音が最近の編集盤やYouTubeで公開される場合、画面には新しい日付も付きます。動画の公開年をそのまま楽曲の発売年にせず、元の作品を知りたいときは本人やレーベルの作品情報へ戻ります。詳しい年表を暗記するためではなく、自分が好きになった録音へもう一度戻るための準備です。気に入った曲の版が分かれば、別の演奏へ進むときも違いを楽しめます。
八曲を知ったら、一枚か一人へ進んでみる
今日のリストで好きな声が一つ見つかったら、同じアルバムからもう一曲選んでみてください。『Jolene』『Long Time Coming』『Bell Bottom Country』のように、作品名が分かる曲なら次の場所も決めやすいです。全てを一度に理解するより、一人の歌い手にもう一度会うくらいの気持ちで進めます。
曲自体が残った人は、作家や別歌唱を探す方へ寄り道してもかまいません。カントリーの入門から始めて、フォーク、ポップ、ブルースへ関心が広がることもあります。分類の正解をそろえるより、自分がまた聴きたいと思う録音を一つ持つ。それができたら、次に知らない曲を選ぶときの手掛かりになります。
よくある質問
知っている曲がなくても聴けますか?
まずは「Jolene」で歌の物語から入る方法があります。曲名や歌手を予習して全て覚える必要はありません。一曲のあとに、声や伴奏など自分が気になったものを一つ残して、次の曲を選んでみてください。
John Denverも同じ分類として聴くのですか?
この記事ではフォークやポップとの接点も含む入口として置いています。John Denverの作品全体を一種類へまとめる意図ではありません。知っている旋律を手掛かりに、別の歌い手や作品へ進む候補として楽しめます。
「Fast Car」はLuke Combsが書いた曲ですか?
作詞作曲はTracy Chapmanです。今回はLukeによる公式ライブを掲載しています。歌を書く人、録音する人、ライブで演奏する人を分けて知ると、同じ曲を別の歌い手で楽しむときにも役立ちます。
次に読みたい音楽ガイド
参照した公式情報・音源について
各曲の動画タイトル・公開元・紹介する版を公式動画と以下の情報で照合しています。確認日:2026/11/01。試聴や比較の方法は編集上の提案であり、実測した音域・効果・人気順位を示すものではありません。動画の公開状況や再生条件は地域・時期により変わる場合があります。
- Dolly Parton「Jolene」公式映像
- Johnny Cash「Folsom Prison Blues」公式映像
- Willie Nelson「On the Road Again」公式映像
- John Denver & Nitty Gritty Dirt Band「Take Me Home, Country Roads」公式映像
- Billy Strings「Dust in a Baggie」公式映像
- Sierra Ferrell「In Dreams」公式映像
- Luke Combs「Fast Car」公式映像
- Lainey Wilson「Heart Like a Truck」公式映像
- Dolly Parton:Jolene
- Willie Nelson:Honeysuckle Rose
- John Denver:Poems, Prayers and Promises
- John Denver:同作40周年版の案内
- BMG:Lainey WilsonのBell Bottom Country発売案内
- Sierra Ferrell本人のBandcamp:In Dreams
- Billy Strings:Opry初出演時の別公演
- Luke Combs:アルバム録音のクレジット







