【レビュー】SONY-PCM-D10「自分の耳で聞いた時の感じにものすごく近い」PCMレコーダー
バンド練習からライブ外音録音まで「もっと良いクオリティの音質で録音をしたい」というのは当然のようにありますが、録音する機材は探し始めるとキリがないですよね。
マイクを立ててレコーディングに近い環境にするには流石に面倒ですし、
毎回iPhoneやAndroidスマホで録音・録画しても良いのですが「それなり」のクオリティからは抜け出せません。
そこで利用のおすすめをしたいのがPCMレコーダーをバンド練習・ライブ録音に使う方法です。
PCMレコーダーとは?
PCMレコーダーはインタビュー録音・会議録音・環境音を録音するのに良く使われますが、
実はバンドの録音にも多いに役立ちます。
バンドの録音で利用するのは、ICレコーダーではなくて「PCMレコーダー」です。
PCMレコーダーは「24bit 96kHz以上のハイレゾ録音」に対応しています。
またハイレゾプレイヤーとしても使えるため、専用機器がないと試せなかったハイレゾ音源の再生も可能です。
PCMレコーダーのメリット
・しっかりと低音まで録音したい人
・ダイナミクスも感じられる録音をしたい人
PCMレコーダーのデメリット
・パソコンがないと編集できない。
・ハイレゾ録音の場合にはファイルサイズが大きい
PCMレコーダーのおすすめ SONY-PCM-D10
スマホの音に我慢できなかった私はPCMレコーダーを導入することを決めました。
2019年に出たばかりのモデル「SONYーPCM-D10」を選びました。
PCM-D10を選んだ理由として
・外部マイクが取り付けられる
・デジタルHDビデオカメラレコーダー
・ファイルフォーマットFLACに対応、最高音質192/176.4kHz 24bitで録音できる
という点でした。
SONYのPCMレコーダーには「PCM-D100」がありますが、
これは高すぎるし、DSD 2.8MHz/1bitまではいらないかなという判断です。
PCM-D10はSONYのPCMレコーダーとしては上から2番目のランクに当ります。
PCM-D10は「自分の耳で聞いた時の感じにものすごく近い」
PCM-D10を使って最初に感じたことは「自分の耳で聞いた時の感じにものすごく近い」ということでした。
機械で録音した音のように感じにくかったんですよね。
アコギの音を撮ったときは再現のクオリティに感激しました。
SONYのレコーダーは低音をガッツリと録音する傾向がありまして、
自分の好みも低音をキッチリ録ってほしかったので狙いがバッチリハマりました。
ベースの輪郭やバスドラのタイトなキック音をしっかり拾ってくれるので聞いていて気持ち良いものが録れます。
(バスドラや低域があまりにも強く録音されてしまう部屋の場合にはLOWCUTのスイッチを設定したほうが良い)
一昔前の発売されていたアーティストのCDライブ音源ってこんな感じだったかな?と思ってしまうクオリティです。
オリジナルの音楽を作っててライブハウスで良く演奏するバンドだったら、
外音をPCM-D10で録音した音源をサンプルとして配るという使い方もありでしょう。
操作方法も簡単ですし録音の段取りさえ間違わなければ
リハはもちろんライブハウスでの録音もバッチリ使えます。
PCM-D10のメリットは音だけではなく、
・Bluetooth接続でスマホアプリから録音のON/OFFができる
点が非常に良かった。
スマホアプリのON/OFFは特に便利で、録音のスイッチを入れるのに
毎回設置場所まで行かなくていいのは非常に楽チンです。
デメリットももちろんあります。
最高音質192/176.4kHz 24bitで録音した場合には、ファイルサイズがGB単位になるので管理が大変です。
また携帯するにはちょっと大きいかな?と感じました。
PCM-D10は外部マイクがキャノン端子で差し込めるようになっているため
PCM-A10やPCM-D100と比べてしまうと大型な設計になっています。
重いものを持ち運びなれていないと、そのうち持ち運びしなくなるかも…という面も持ち合わせています。
SONY PCM-D10 同梱物・開封の儀
上面にd10の本体が、中蓋をあけると付属品が入っています。
付属品は以下の内容が入っています。
■ USB Type-C(TM)ケーブル(USB-A – USB-C)
■ キャリングポーチ
■ ウインドスクリーン
■ 単3形アルカリ乾電池 4本
■ 取扱説明書
■ SOUND FORGE Audio Studio 12 インストールガイド
■ REC Remote説明書
■ 保証書
SONYのPCMレコーダー機能比較
モデルのランクは
の順番になっています。
項目 | PCM-D10 | PCM-A10 | PCM-D100 |
---|---|---|---|
価格 | 49,980円(税別) | 19.880円(税別) | 95,048円(税別) |
録音形式 | WAV,MP3 | WAV,MP3 | DSD,WAV,MP3 |
最高録音形式 | WAV:192/176.4kHz 24bit(STEREO) | WAV:96kHz 24bit | 192/176.4kHz 24bit(STEREO) |
内蔵メモリー | 16GB | 16GB | 32GBフラッシュメモリー |
対応外部メモリー | SD/SDHC/SDXCメモリーカード | microSDHC/microSDXCメモリーカード | メモリースティック PRO デュオ” 、“メモリースティック PRO-HG デュオ” SD/SDHC/SDXCメモリーカード |
リハーサル機能 | X | ● | X |
プリレコーディング機能 | ● | ● | ● |
デジタルリミッター | ● | ● | ● |
クロスメモリー機能 | ● | ● | ● |
高S/Nモード | ● | x | x |
外部マイク利用 | ● | x | x |
ローカットフィルター | ● | ● | ● |
ファイル分割 | ● | ● | ● |
トラックマーク機能 | ● | ● | ● |
Bluetooth | ● | ● | X |
重さ | 約480g(電池含む) | 約82g | 約395g(電池含む) |
3機種の大きな違い
PCM-D100
・DSD録音ができる。
・WAV最高音質192/176.4kHz 24bit
・Bluetoothなし
・電池駆動
・値段高い
PCM-D10
・WAV最高音質192/176.4kHz 24bit
・Bluetoothあり
・外部マイク接続可能
・高S/Nモードあり
・電池駆動
PCM-A10
・WAV最高音質96kHz 24bit
・Bluetoothあり
・Bluetoothあり
・電池は充電式
・値段安め
映像も取りたい
音楽専用のビデオカメラは無いの?
バンドの大音量での音と映像を同時に記録できる「音楽専用のビデオカメラ」として
SONY-HD-MV1、CANON IVIS mini, Zoom Q8がありますが、
SonyとCannonはすでに生産終了になっています。
Zoomは少しずつアップデートしているものの
独特のコンプレッションがかかるのでイマイチ好きになれないんですよね。
Zoomでは4k画質で録画できるZoom Q2n-4Kが出ていますが、
レンズが小さく動画としての質感はiPhoneなどのスマホに負けてしまいます。
最近の新型スマホは普通で4kが撮影できるので
スマホで録画した動画+ PCMレコーダーで別撮りをしてお互いをあわせると
納得の行く映像ができあがります。
初期投資額はかかってしまいますが、本気で映像にもこだわりたい・映像美を演出したい場合にはミラーレス一眼カメラを導入したほうが幸せになります。
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