「Abbey Road One」レビュー・使い方!Simon Rhodesを招いて録音されたSpitfireのオーケストラ音源

「ABBEY ROAD ONE: ORCHESTRAL FOUNDATIONS」はAbbey Road Studiosで収録されたSpitfireAudioのオーケストラ音源です。
Abbey Road Studiosはスターウォーズやインビジブル、エイリアン、ハリーポッター、アヴェンジャーズなど映画のサウンドトラックを録音しているスタジオで知られています。
映画音楽に興味がない場合には、Abbey Roadと聞いたらビートルズのジャケットのほうがピンと来ますね。
Abbey Road Oneの特徴
・弦楽器、金管楽器、木管楽器、打楽器の4つのセクションに分けて分類
・オーケストラ・サウンドがワンセットになったオーケストラ音源
・69のアーティキュレーションと最大5段階のダイナミック・レイヤーで表現できる
・追加音源が発売されている
Abbey Road Oneの構成
1stヴァイオリン 16本
2ndヴァイオリン 14本
ヴィオラ 12本
チェロ 10本
コントラバス 8本
ブラス
ホルン 4本
トランペット 4本
トロンボーン 3本
バス・トロンボーン 2本
コントラバス・トロンボーン 1本
チューバ 1本
コントラバス・チューバ 1本
ウッドウィンズ
ピッコロ 1本
フルート 2本
オーボエ 2本
イングリッシュホルン 1本
クラリネット 2本
バス・クラリネット 1本
バスーン2本
コントラバス・バスーン 1本
+パーカッション
マイクの設定
音質を左右するのがマイクの設定です。
マイクの組み合わせで音をつくっていく仕様になっています。
■Mixes
Mix 1 – Simon Rhodes氏(アバター、ハリーポッター等)によるフル・ルーム・ミックス。甘美でリッチなパッセージ向け。
Mix 2 – Simon Rhodes氏による比較的タイトなフル・ミックス。サウンドにディテールが必要な場合や早いフレーズ向け。■Microphones
Vintage 1 – RM1-Bペア・リボンマイクを使用したヴィンテージ・スコアリングステージ・サウンド。
Vintage 2 – 指揮者位置に設置されたクラシックなペア・リボンマイク。
Pop Close – センターにパンニングされたスポット・マイク。
Pop Room – Pop Closeと相性のよいルームペア・マイク。
Close – プレイヤー毎に設置されたスポット・マイク。
Tree 1 – Abbey Road Studiosで最も優良な無指向性真空管マイク3本によるデッカツリー。
Tree 2 – Tree 1よりクローズ寄りでタイトなデッカツリー。
Ambient – 5.1chミックスにも最適な、ルームリアの高い位置に設置された無指向性マイク。
Outriggers – デッカツリーを中心に広く位置した無指向性マイク。デッカツリーにブレンドしてイメージを広げるのに最適。
Spill – 演奏している楽器以外のスポットマイクの被り音。リアリズムを付加するのに最適。
パラアウト設定
パラアウトできるのは各楽器のマイク。
パラアウト設定してからst.1の部分をクリックすると、どのトラックから出すか選べるようになります。
Walkthrough — Abbey Road One: Orchestral Foundations
購入時注意点
弦楽器、金管楽器、木管楽器、打楽器の4つのセクションに分けて分類とあります。
バイオリンだけ、ビオラだけのように個別の楽器を抜き出してトラックで流すという使い方はできません。


High Stringsの場合,HighとLowの2つに分けられている
例えば弦楽器の場合、High Strings,Low Stringsと2種類に分かれています。
個別にバイオリン1,バイオリン2,ビオラ,コントラバスのトラックをつくって音の種類を切り替えて・・・みたいな
面倒くさい方法は必要ない一方で、「個別の楽器の音が欲しい」場合にAbbey Road Oneは向いていないオーケストラ音源になります。
SpitfireのALBION ONEも同じですが、セクションごとに分けてモックアップのオケを手早く作れるようにしてあるのがコンセプトです。



選べる音の種類は
- Full Orchestra
- High Strings
- Low Strings
- Trumpets
- Horns
- Low Brass
- High Woods
- Low Woods
- Percussion
- Drums
- Metals
- Tuned
- Percussion Ensembles
Abbey Road Oneのキースイッチ設定

※2020年12月29日時点 StudioOne5環境
キースイッチ設定ができるが表示されている音程よりなぜか-1Octずれているバグ?
もしからしたらもともとこういうものなのかもしれません。
初期値のトランペットの場合
・STACCAT D-1
・TENUTO D#-1
・MARCATO E-1
・SELLS Short F-1
・SELLS Medium F#-1
・SELLS LONG G-1
表記上は−1の音域なのですが、実際にMIDIキーボードを叩くと変化するときは
・STACCAT D-2
・TENUTO D#-2
・MARCATO E-2
・SELLS Short F-2
・SELLS Medium F#-2
・SELLS LONG G-2
で変わります。
自分でキースイッチ設定変更できますが
そのときも表記上から-1Octされた鍵盤がキースイッチになります。
これで1時間以上悩みました。
Abbey Road Oneを使ったオケ事例
Alvin S Wong Musicの動画が事例として1番わかりやすいかと感じました。
デモとして
・James Bond – Skyfall – She’s Mine – Thomas Newman
・Star Wars – Duel of the Fates – John Williams
・Star Wars – Duel of the Fates – John Williams (w/Choir from Lacrimosa & Met Ark 1)
・Bravehart – For the Love of a Princess – James Horner
・Black Panther – Royal Talon Fighter – Ludwig Goransson
・Star Wars – Main Theme – John Williams
の例が挙げられています。
blakus | music for mediaの動画ではスターウォーズのテーマを
Abbey Road Oneと他のオーケストラ音源を混ぜてものすごいクオリティで再現しています。
ABBEY ROAD ONE: ORCHESTRAL FOUNDATIONS
でDQ4戦闘曲を鳴らしてみました。ほぼベタ打ち(satcとlongのみの切り替え)で
BBC SYMPHONY ORCHESTRA DISCOVERと比較して音がかなり前に出てきて元気というか、表現力、残響が豊かな印象です。引用RTのと聴き比べると迫力の差が一目両全かと。 https://t.co/lDYhtos52D pic.twitter.com/Ms0aGMFUEs— 下田祐 (@Yu_Shimoda) November 6, 2020
Abbey Road Oneの追加音源「THE COLLECTION」
2021年2月18日発売に昨年からアナウンスされていたAbbey Road One追加音源が発売されました。
議論点になっているのが追加音源ともに基本オクターブ音が重ねられている点です。
8ve表記されている音源はオクターブが重なっています。
これには賛否両論あるようですが、Abbey Road Oneの方針である綺羅びやかなサウンドにはあっているのかもしれません。
マイクポジションはAbbey Road One本体と同じ種類分用意されています。
一つあたり$49で、「THE COLLECTION」で購入した場合$485です。
ABBEY ROAD ONE: SPARKLING WOODWINDS
木管楽器とグロッケンシュピールのペアリング音源。
グロッケンシュピールをオフにできます。
ABBEY ROAD ONE: LEGENDARY LOW STRINGS
力強い雰囲気を演出できる低音弦楽器ライブラリ(Cello and Bass)
ABBEY ROAD ONE: VIBRANT REEDS
追加のクラリネット音源。
ABBEY ROAD ONE: GRAND BRASS
horns and cellosの音源
ABBEY ROAD ONE: WONDROUS FLUTES
追加のフルート音源。
Abbey Road Oneの購入
取り扱い代理店、またはSpitefire公式サイト Spitfire Audio — Abbey Road One: Orchestral Foundationsから購入できます。


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