私そろそろギターを初めて20年以上になります。
長年弾いてきた経験でこれは良いこと書いてあったなあと思える実際に役立った教則本をまとめていきます。
昔に比べて情報量の多い質の高い本が増えてきたことと、教則本が絶版になっていて中古品しか手に入らないことがあるため、比較的最近の物が多いです。
ギターのバッキング練習
「ギターが下手」、原因の90%はリズム感
本屋に並んでいたら手に取りたくなるキャッチーな本のタイトルです。
音楽の3大要素として「メロディ、ハーモニー、リズム」がありこの3要素が綺麗に重なって曲が出来上がります。
土台となるリズムは音楽を曲として成り立たせる上で「9割を占めて」います。
ギターソロがメインのインスト物は別として殆どの曲で『ギターの役割は伴奏』です。
曲中でギターでソロをがんばる時間って、ギターがメインのハードロックやメタルでも1割くらいの時間しかありません。
ギターのバッキングが上手くなると必然的に上手く見られるので頑張ろうねといったテーマの一冊。
この本の良いところとして「メトロノームの効果的な使い方」が乗っている点です。
メトロノームを頭拍で鳴らすだけでなく「数を減らしていく」とか「裏拍でならす」など事例は沢山上がっています。
幼少期にピアノの練習をしていたっていう場合には特に頭拍だけで鳴らすやり方が定番ですので、
メトロノームを応用していく練習方法って教わらないと気が付かないんですよね。
メトロノームを使い方を変えて練習することで、時間はかかりますがリズム感は確実に良くなります。
リズム感なくてバンドメンバーに怒られているような人には一度見て欲しいおすすめの一冊です。
ちなみにKindle版で購入しても練習音源はリットーミュージックのサイトhttps://www.rittor-music.co.jp/e/furoku/からダウンロードできます。
ギターのソロ練習
ギタリストのための演奏能力開発エクササイズ
名門バークリー音楽院のギター科助教授、藤田智久さんの教則映像。
ギターの基礎練習”がテーマの大ベストセラーシリーズの一作目です。
DVDで販売されていたときに「ギタリストのための演奏能力開発エクササイズ」のシリーズを集めていまして、
このシリーズはどの作品も取り組む価値があるので、余裕があったら全シリーズ手を出しても時間のムダにはなりません。
特に数年ギターの練習をしているんだけど全然うまくならない人におすすめ。
ロックギターの基礎に当たる部分をじっくりやり直しましょうという内容になっています。
練習フレーズはブルース、ジャズブルース、ファンクが元になっています。
譜面だけ見ると結構地味かもって思ってしまいますが、マスターできるとびっくりするほど上達しますよ。
このシリーズはデモ演奏が『クリックとギター音だけ』なので、ギターの素の音が聞けるのが良いんですよね。
現在ですとDVD版は中古品しか手に入らないので、アマゾンのビデオレンタルがおすすめです。
「ギタリストのための演奏能力開発エクササイズ1」は「スラップギター」の練習フレーズが乗っているのが珍しいです。
ちなみに書籍版の「演奏能力開発エクササイズ エレクトリック・ギター 新装版」ですと「Just Funky」のタブ譜が掲載されています。
「ギタリストのための演奏能力開発エクササイズ2」はギターソロ強化。
「ウォーキングベース&コンピング」の練習フレーズが乗っているのが特徴。
ジャズのウォーキングベース&コンピングをギターでやってみたい人は一見の価値あり。
「ギタリストのための演奏能力開発エクササイズ3」はリズムギター強化。
個人的には3作目が一番良いと思っていて、一番何度も見返した映像です。
ギターのグルーヴ感を身につけるためのフレーズが紹介されています。
カッティング猛者になりたい人は見ておいた方が良いですよ。
地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ 反逆の入隊編
掲載されている練習フレーズはロック、メタル系。
「地獄のメカニカル・トレーニング・フレーズ」は弾けるようにする目標のフレーズテーマがあり、テーマが弾けないときには
修行用のもっと簡素化されたフレーズが紹介されています。
反逆の入隊編は地獄のメカニカル・トレーニングシリーズ」では簡単な部類に入るのですが、
復習の気分で開いてみると意外に弾けないパターンが見つかったりします。
Amazonプライムに入会している場合にはprime readingも対象本に入っているため
無料で読めます。
ギター無窮動「基礎」トレーニング
掲載されている練習フレーズはジャズ系。
無窮動は曲がとまることなく音が鳴り続ける曲で「ノンストップで演奏し続けるための練習」をテーマにしています。
ギター初心者・中級者向けのジャズフレーズの教則本ってとっつきにくいものが多いんですよね。
ジャズの小難しいテンションコードを紹介して終わりだったりするものもあるし、買ってみたら明らかに上級者向けのものでわけがわからないものがあったりと
ジャズよりの教則本は選ぶのが大変。
程よい難易度なのが挫折しなくて良いです。
無窮動シリーズは全部で3冊あるので、自分の難易度のあわせて段階をあげていくと達成感が味わえます。
菰口雄矢のアドヴァンスド・リード・アプローチ
掲載されている練習フレーズはロック・ジャズフュージョン系。
スケールなんてメジャー・マイナースケールとペンタトニックしか知らないよって人はびっくりすると思います。
使われているフレーズはメジャー・マイナースケールなのに聞いたことがない音の並びに聞こえるので新鮮です。
「コードを元にしたフレーズ」と「スケールを元にしたフレーズ」を同じコード進行で掲載。
様々なパターンのコード進行に合わせていろいろなアプローチ方法が学べます。
他人と同じに聞こえないようなフレーズの作り方のヒントが沢山掲載されているので、
掲載フレーズを応用していけば、一皮向けますよ。
ギターの耳コピ
コード進行を覚える方法と耳コピ&作曲のコツ
「譜面なしでコードを弾ける人になる」ことをテーマにした一冊です。
よく使われるコード進行にはある程度「法則」があってこの法則を説明の説明と、ギター初心者が苦戦する耳コピについて解説しています。
この本の特徴的な解説方法として「鍵盤とギター」の比較があります。
昔ピアノをやっていた人には比較材料があるので、すっと頭に入ってきやすいはず。
ギターしか弾いていない人でも、コードダイアグラムや挿絵が沢山使われているのでクリアすべきテーマは大変ですが、
少しずつ取り組んでいけば技術を身につけられる一冊です。
コード進行の説明で初歩的な音楽理論も解説されているため、音楽理論を勉強する抵抗感がちょっと薄まります。
アコギ
ハイテク・アコギ奏法
押尾コータローさんの譜面採譜をしている南澤 大介さんによるアコギ奏法の解説です。
ソロギターを演奏したい人向け。
海外勢ではペッテリ・サリオラ(PETTERI SARIOLA)のような異次元のアコギ奏者が沢山出てきているので
内容としてはちょっと古くなっていますが、押尾コータロー奏法の前段階として挑戦してみるのにちょうどいい内容です。
南澤 大介さんの著書で毎回書かれているのが「消音(ミュート)」について。
エレキギターでも大事な項目ですがソロギターの場合、各弦のミュートを上手くいれないとメロディ音が聞き取りづらくなることがあるので
自分が演奏したい音符の長さでミュートできるよう指の繊細な動きを練習しないといけません。
指を使ってミュートしますと書かれていても、文字だけだとわかりにくいので、
映像付きでどんな指の動かし方をしているのかが参考になります。
ギターの読み物
バンドマンが知るべき100の秘訣
バンドでギターを弾く時の気をつけたい項目が乗っています。
音楽の教則本って各楽器を演奏している同じパートの人が書いているものが多いのですが、
この本の著者はPAエンジニアです。
PAエンジニアからバンドで使われる楽器の音をどうやって作ったら良いのかについて紹介しています。
特に「ライブでいい演奏を作るにはどうしたら良いのか」について重きを置いていて、
「リハーサルのコツ」「ライブ前にPAへ何を伝えたら良いのか?」「バンドでの音の作り方」など知っているのと知らないでは差がでる項目が紹介されています。
演奏者のための はじめてのボディ・マッピング
楽器演奏者に向けての身体の使い方の指南書です。
人間の身体は一部の動かすと色々な場所の動作が影響します。
例えば意図的に顎に力を思い切り入れてみると、顎から下がうまく動かなくなるといった具合。
なかなか演奏が上達しない場合、実は身体の使い方を変えてみたら急に弾けるようになることがあります。
ちょっとしたことを変えていくだけでも急にスムーズに身体が動かせるようになるのが面白いです。
身体のパーツが影響する部分を理解してバランスよく動かせるように身体に記録させるボディマッピングについて
記載されている一冊です。
近い内容でアレクサンダー・テクニークがありまして、こちらも身体の使い方をマスターしていい演奏をしようという内容です。
人前で演奏するときに緊張してしまっていつもの練習の力が全然出せない人にはヒントになる内容が書かれています。