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「ToneX Board」に何が入ってるの?アンプモデル2,000種・エフェクト76種一覧を初心者向けに解説

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「ToneX Board」を手に入れたら、まず画面をスクロールしながら「うわ、アンプモデルもエフェクトもとんでもない数が入ってる……」と圧倒された人、多いんじゃないでしょうか。公式のリストを見ると、アンプ・キャビネット・エフェクターの音をまるごとキャプチャした「Tone Model」が2,000種類、エフェクトが76種類。数字だけ見ても正直ピンと来ませんよね。

この記事では、そのToneX Boardの中身を「有名ブランドのアンプを元にしたモデルはどれくらいあるのか」「初心者が聞いたことないような変わり種は何があるのか」「エフェクトはどう分類すると理解しやすいのか」という切り口で整理していきます。全部を機械的に並べても実用的じゃないので、実際に使うときの目線でピックアップしました。ToneX Board自体の特徴やToneXシリーズ内での立ち位置はこちらの比較記事で詳しく解説しているので、「そもそもToneX Boardってどんな機材?」という人はあわせてチェックしてみてください。

目次

「Tone Model」って結局なに?アンプモデルの前提を先に整理

ToneX Boardのアンプモデルは「Tone Model」と呼ばれています。これはIK Multimediaの「AI Machine Modeling」という技術で、実機のアンプ(場合によってはキャビネットやマイク、外部エフェクターまでセットで)の音の特性をキャプチャして再現したデータのことです。ギターで例えるなら、実機のアンプの前にマイクを立てて録った音を、AIが「このアンプはこういう音の変化をする」と学習して、丸ごとコピーしてくれるようなイメージです。

Tone Modelの一覧を見ていくと、名前の頭に「CS」「MAX」「REG」「SE」「Board」といった表記がついているのに気づきます。これはToneX Boardが発売されるまでのアップデートで少しずつ追加されてきたモデル群を区別するための世代タグのようなもので、基本的にはどれも「実機を録ったキャプチャデータ」という点は共通です。数が多すぎて全部は追いきれないので、まずは「有名ブランドの実機を元にしていそうなモデル」から見ていきましょう。

有名ブランドのアンプモデルはこう探す。名前の略し方にはクセがある

Tone Modelの名前は商標の関係もあってか、実機のブランド名をそのまま使わず、独自の略称になっているものが多くあります。たとえば「Mars」はMarshall、「Fndr」はFender、「Mesb」はMesa Boogie、「Bogn」はBogner、「Dzel」はDiezelのことだと思われます。この「暗号」がなんとなく読めるようになると、2,000種類の中から自分好みのアンプを探すのがぐっとラクになります。ここでは、実機のブランドが分かりやすい代表的なモデルをいくつかピックアップしました。

Fender系:クリーン〜クランチの定番

Fenderのコンボアンプは、粒立ちのいいクリーントーンから軽く歪ませたクランチまで幅広くキャプチャされています。「65 Deluxe Reverb」「Twin Reverb」「Princeton Reverb」「’59 Bassman」「Hot Rod Deluxe」「Hot Rod DeVille」など、定番機種の名前がそのまま(または略称で)確認できます。宅録中心の人なら、まずこのあたりを試してみると「Fenderらしい音」のイメージがつかみやすいはずです。

Marshall系:ロック〜ハイゲインの王道

ロックギタリストなら気になるMarshallも、JCM800・JCM900・JVM410・Plexi(JMP)・Silver Jubilee 2555・Bluesbreakerなど、歴代モデルがかなり網羅されています。「歪みの量」と「ゲイン(歪みの深さを決めるパラメーター)」がキャプチャの段階でセットになっているので、実機のツマミをいじる感覚とはちょっと違いますが、「JCM800のあのジャキっとした歪み」を手軽に呼び出せるのは便利なポイントです。

Mesa Boogie系:激しく歪ませたい人向け

メタル・ハードロック方面でよく名前が挙がるMesa Boogieも、Dual Rectifier・Triple Rectifier・Mark III/IV/V・Maverickといった主要機種がひととおり収録されています。ドラマチックな歪みが欲しいときは、このあたりのモデルから探すのが近道です。

Vox・Orange・Bognerなど個性派ブランド

チャイミーな音が特徴のVox AC30、オレンジ色の見た目でおなじみのOrange(Rockerverb、Thunderverb、OR120など)、複雑な回路で知られるBogner(Ecstasy、Uberschall、Shivaなど)、ハイエンド機として名高いENGL(Powerball、Fireball、Invader)、メタル系で定番のPeavey 5150やEVH 5150IIIなど、いわゆる「有名ブランド一式」がしっかり揃っています。さらにSoldano SLO-100やFriedman BE100、Diezel VH4、Hiwatt DR103、PRSのArchon・MT15といった、プロのステージやスタジオでよく見かけるハイエンドアンプもキャプチャ済みです。

下の表は、代表的なTone Modelの名前と、元ネタと思われる実機の組み合わせを一部抜粋したものです。すべてを網羅したリストではなく、「名前の読み方のクセ」をつかむための参考として見てください。

Tone Model名(表記例)元ネタと思われる実機
Fndr Dlx CL Growl / Dark 65 DLXFender 65 Deluxe Reverb
Fndr Bman CL TwangyFender ’59 Bassman
Mars 800 HG GrittyMarshall JCM800
Mars SL87 DR Classic / Classic PlexiMarshall Super Lead(Plexi/JMP)
Mesb Dual90 HG FatMesa Boogie Dual Rectifier
Mesb MkIV DR GrittyMesa Boogie Mark IV
Vx 6TB CL Chime / A Clean 30Vox AC30
Bogn XTC HG WarmBogner Ecstasy
Dzel H4 HG FatDiezel VH4
EdVH 51ST HG FatEVH 5150III 100S
Pevy 51MK1 HG AggressivePeavey 5150 MKI
Sold Slow HG RoarSoldano SLO-100
Fried B100 HG FatFriedman BE100
Hwat Cstm DR GrittyHiwatt DR103
Paul Arch50 HG SoaringPRS Archon 50
Orng Rock2 HG RoarOrange Rockerverb MKII
Eng Fire HG FatENGL Fireball

ベース用のアンプモデルも意外と充実

ToneX Boardはギター専用ではなく、ベーシスト向けのTone Modelもしっかり用意されています。Ampeg SVT-CL・SVT-VR・B-15N、Aguilar DB750、Gallien-Krueger 800RBや2001-RBなど、ベースアンプの定番ブランドが一通りキャプチャされているので、バンドでベースを兼任する人や宅録でベーストラックも作る人にも使い道があります。

「これは初耳」なギタリスト向け変わり種アンプモデル

有名ブランド以外にも、ToneX Boardには「これは知らなかった」「そんなのあるんだ」と思うような、ちょっとマニアックなモデルが混ざっています。初心者の人が全部を追いかける必要はありませんが、雑学として知っておくと友達に自慢できるかもしれません。

  • Dumble Overdrive Special系のモデル……Dumbleは中古市場で数千万円の値がつくこともある伝説の手工アンプブランドです。「Clean Boosted ODS」「ODS Lead」など、その音をキャプチャしたと思われるモデルが複数収録されていて、実機を触る機会がほぼない人でも、あの独特の粘るクランチを試すことができます。
  • Klon Centaurベースの大量バリエーション……名機「Klon Centaur」を元にしたスタンプ(単体エフェクター)モデルは、トーン・ゲインの設定違いだけで20種類以上収録されています(「KC Tmid Gmax」「KC Thigh Ghigh」など)。1台のペダルでもここまで音作りの幅があることが伝わってくる、マニア心をくすぐるラインナップです。
  • デスメタル特化ペダルのモデル……DOD FX86B「Death Metal」という、その名の通りデスメタル用に作られたディストーションペダルを元にしたモデルもあります。プリセット名も「Death what」「Climb those mids」など、ちょっと物騒な雰囲気で統一されているのがユニークです。
  • Rockman Sustainor……1980年代のスタジオレコーディングで大量に使われた、Bostonのトム・ショルツが開発したヘッドフォンアンプ的な機材です。あの時代特有の「コンプ感のある分厚いクリーン〜クランチ」を再現したモデルが複数入っています。
  • Geloso(ジェローゾ)のアンプ……イタリアの古いブランドで、日本ではほとんど流通していない機材です。「Tony Stack」「90210 Plexi」といった凝った名前のモデルが、このアンプをベースに作られています。
  • BluGuitar AMP1 Iridium……こちらはそもそもがデジタルのアンプモデリング機材です。「モデリング機材をさらにモデリングする」というちょっとメタ的な構造で収録されていて、ハイブリッドな音作りが好きな人には面白い素材になりそうです。

ちなみにTone Modelの一部には、アーティストのライブリグをキャプチャしたと思われる「Fig V2」シリーズのようなモデル群もあります。キャビネット名が「Potato」「Tomato」「Secret」のような伏せ字になっているものもあり、契約上の理由で元ネタを公開できない特別なリグをキャプチャしたのでは、と想像が膨らむところです(公式に元ネタが明言されているわけではないので、あくまで一つの見方として楽しんでください)。

エフェクトは76種類。系統ごとに整理すると迷わない

アンプモデルと違って、エフェクトは「ドライブ」「モジュレーション」「ピッチ」「EQ」「フィルター」「リバーブ」「ダイナミクス」「ディレイ」「ユーティリティ」という分類がはっきりしているので、ジャンルごとに把握すればそこまで難しくありません。ここでは、それぞれの系統がどんな音作りに向いているのかを、専門用語をかみ砕きながら紹介していきます。

ドライブ系(22種類):歪みの「量」と「質感」を決める土台

「ドライブ系」は、音を歪ませるエフェクトの総称です。歪みの深さのことを「ゲイン」と呼びますが、ゲインが浅い順に「ブースター(音量を持ち上げるだけで歪みはほぼない)」「オーバードライブ(軽い歪み)」「ディストーション(しっかりした歪み)」「ファズ(もっとも激しく潰れた歪み)」という並びになっています。ToneX Boardには、20dBブーストできる「Booster」、ローランド・サウンドで有名な歪み系「Fuzz One」(ローリング・ストーンズの名フレーズで使われたファズが元ネタと言われています)、メタル向けの「Metal Distortion」、フランジャーのような揺れを足したオクターブファズ「OctoBlue」まで、幅広いキャラクターが揃っています。「まず歪み系を1つだけ挿してみたい」という人は、Booster→Overdrive→Distortion→Fuzzの順に試すと、歪みの強さの違いが体感しやすいはずです。

歪み系の基礎をもう少しじっくり知りたい人は、サチュレーションの仕組みをギターの歪みで例えて解説した記事もあわせて読んでみてください。

モジュレーション系(16種類):音に揺れと立体感を加える

「モジュレーション」は、音の高さ・音量・定位などを周期的に揺らして音に動きをつけるエフェクトの総称です。コーラス(音を重ねて広がりを出す)、フランジャー(ジェット機のような独特のうねり)、フェイザー(シュワシュワとした揺れ)、トレモロ(音量が周期的に上下する)、ロータリー(回転スピーカーのような揺れ)など、それぞれ揺れ方の質感が違います。ToneX Board独自の「TX」シリーズ(TX Chorus、TX Flanger、TX Phaser、TX Rotary、TX Tremolo)はステレオ感が広く、新しく追加された「Auto Pan」は音を左右に振ってくれるエフェクトです。「音が単調でつまらない」と感じたら、まずはコーラスかフェイザーを薄めにかけてみると、印象がガラッと変わります。

ピッチ系・EQ・フィルター系(11種類):音程と音色を作り込む

ピッチ系は音程そのものを変えるエフェクトで、オクターブ下の音を重ねる「Octav」や、モノ・ステレオそれぞれ用意された「Pitch Shifter」があります。EQ系は特定の周波数帯を持ち上げたり削ったりして音色を微調整するエフェクトで、3バンドの「Parametric EQ 3」や、より細かく調整できる「10 Band Graphic」が使えます。フィルター系は、ペダルを踏み込む角度や弾く強さで音色が変化するもので、代表格は「ワウ」です。ToneX Boardには自動でワウがかかる「Bass Wah」、ファンクでおなじみの1972年製フィルター「NU-Tron III」を元にしたモデル、歪みとワウを組み合わせた「WahDist」などが入っています。

空間系(リバーブ10種類+ディレイ10種類):奥行きと余韻を作る

「空間系」は、音に部屋の響きのような奥行きを加えるエフェクトのことで、大きく「リバーブ(残響)」と「ディレイ(やまびこのような繰り返し)」に分かれます。リバーブは、ギターアンプ内蔵でおなじみのバネの響き「スプリング」(TX Spring 1〜4)、スタジオ機材由来の緻密な響き「プレート」(TX Plate)、部屋の自然な反響「ルーム」(TX Room)、広いホールの残響「Hall」に加えて、ピッチシフトした音を重ねて幻想的な響きを作る「Shimmer」まで揃っています。ディレイは、アナログらしい温かみの「Analog Delay」、テープエコーの質感を再現した「EP Tape Echo」、短い1回だけの反復で音に厚みを足す「Slap Back」、2系統を同時に鳴らせる「Twin Repeat」など、バリエーションが豊富です。

リバーブの種類ごとの違いをもっと詳しく知りたい人は、リバーブの種類をギターアンプのキャラの違いで例えて解説した記事も参考にしてみてください。

ダイナミクス系・ユーティリティ系(7種類):縁の下の力持ち

ダイナミクス系は、音量のばらつきを整えるエフェクトです。「コンプレッサー(TX Compなど)」は音の粒を揃えて聴きやすくし、「ノイズゲート(TX Noise Gate)」は弾いていないときの余計なノイズを消してくれます。ハイゲインな歪みを使うほど、ノイズゲートのありがたみが分かってくるはずです。ユーティリティ系は、パンやステレオ幅、位相を調整する「Swiss Tool」、昔ながらのボリュームペダル、そして外部の実機エフェクターを信号経路に挟み込める「FX Loop」があります。「お気に入りのアナログペダルはToneX Boardと併用したい」という人にとって、FX Loopは地味に重要な機能です。

プリセットにも遊び心が満載。名前を眺めるだけでも楽しい

ToneX Boardには、あらかじめ音作りが完成した状態の「ファクトリープリセット」も200以上入っています。「Factory」バンクにはクリーン・ドライブ・ハイゲインをバランスよく揃えたプリセットが並び、「Extra」バンクには少しクセのあるプリセットが、「Bass」バンクにはベース用のプリセットが収録されています。

名前を眺めているだけでも、元ネタを想像する楽しさがあります。「5150」はEVH(エディ・ヴァン・ヘイレン)のシグネチャーアンプ、「Clean Prince」はプリンスが愛用したアンプを思わせる名前、「Golden Queen」はQueenを連想させます。中には「I Forgot My Amp(アンプ忘れた)」というユーモラスなプリセット名もあり、「とりあえず音は出したいけどアンプが手元にない」というギタリストあるあるを表しているようで、思わずクスッとしてしまいます。まず何を触ればいいか迷ったら、この手のファクトリープリセットから聴き比べていくのが一番の近道です。

まとめ:2,000種類と76種類、まずはここから触ってみよう

ToneX Boardのアンプモデル・エフェクトの総数を聞くと、正直「多すぎて選べない」と感じてしまうのが正直なところだと思います。でも、この記事で紹介したように、アンプモデルは「有名ブランドのキャプチャ」がベースになっていて、名前の略し方さえ分かれば探しやすくなりますし、エフェクトも系統ごとに把握すれば決して難しくありません。

初めて触るときのおすすめの順番は、①まずファクトリープリセットをいくつか聴いてみて好みの方向性を掴む、②好きな傾向のTone Modelを1〜2個お気に入り登録する、③そこにドライブ・モジュレーション・空間系のエフェクトを1つずつ足していく、という流れです。焦って全部を理解しようとせず、まずは自分の好きな音の傾向を見つけることから始めてみてください。ToneXシリーズの他の製品との違いが気になる人は、あわせてToneX・ToneX One+・ToneX Pedal・ToneX Boardを比較した記事も読んでみてくださいね。

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