GT-1000 のメリット
パッチ切り替え時の音切れなし
GT-1000で感動した点としては「パッチ切り替え時の音切れがしない・パッチ切り替えの速さ」点です。
これは地味に大事な点で、たとえばギター・ソロを弾いているときにディレイやリバーブ音が残っている状態でパッチを切り替えてバツっと切れてしまうと余韻がなくなってしまい味気がなくなります。
パッチを切り替えたときの出音も早く、フットスイッチを踏んで即切り替わるのでフラストレーションがなくエフェクターを利用できます。
当たり前のようで、非常に地味な点なのですが近年のマルチエフェクターは高機能の計算をさせるためパッチ切替時に遅れが発生する製品がゼロではありません。
この点は実機を触らないとわからない点でしたので、この点に関してはGT-1000は不満がなくてよかったです。
32ビット処理 による出音の良さ
GT-1000のスイッチを押した直後にびっくりしたのが「立ち上がる速度がものすごく早い」こと。
今後プリセットを沢山作っていくとちょっとは遅くなるとは思いますが、マルチエフェクターって意外と読み込みする時間がかかるので、
ライブ開始前のセッティング準備などの時間に追われて焦っているときは気持ちが楽になります。
GT-1000の配線をしてからスイッチを入れて、アンプ側を操作しようかなって段階で既にGT-1000が起動しています。
起動の速さは本当に驚きです。
最初に、電源を入れて表示される1つ目のプリセット音源「premium drive」からして完成度が高い。
マルチエフェクターのプリセットの1番最初の音は電源入れて最初に鳴らす音になるので、各メーカーの力を入れて作る音です。
GTシリーズやBossのコンパクトを使っている人には誰にでも経験がある『BOSSっぽいドライブ感』がなくなっています。
特にデジタルで作られているBOSSのドライブサウンドのペダルは『四角い音が飛んでくる』感じなんですね。
コンプが沢山かかっているような感じです。
アマチュアでバンドをやっているとプレイヤーの技術差があってもBOSSの音がするな!とわかります。
もちろんこれが良くて使っている人もいますよ。
GT-1000では『四角い音が飛んでくる』感じから『丸みを帯びた音が飛んでくる』イメージ。
パラメータを細かく調節できるので、音は変幻自在です。
GT-1000では根本の出音へ影響する仕様がグレードアップ。
機材 | AD変換、DA変換 | サンプリング周波数 |
---|---|---|
Gt100 | 24ビット | 44.1kHz |
GT-1000 | 32ビット | 96kHz |
数あるマルチエフェクターの中でも現在最高水準の仕様です。
ここ数年内のBOSSのエフェクターである「MD-500」「RV-500 REVERB」「DD-500」は入力から出力まで最高水準32 ビット処理による高音質処理をされており、この技術力を活かした出音になっています。
BOSSお得意の飛び道具エフェクトを始め、DD-500の技術を活かした空間エフェクトのバリエーションが増えています 。
ディレイのサウンドはGT100より格段にきらびやかな空間演出が可能。
プリセット切り替えのフットスイッチはGt100から1つ増えて5つと、よりリアルタイム性に優れてライブ向きに。
アンプモデルは16タイプ
アンプモデルは16タイプとアンプシミュレーターに慣れている人にはちょっと物足りないかも。
ADVANCED AMP
- TRANSPARENT(アコースティックギター系)
- NATURAL(クリーン系)
- BOUTIQUE(ピッキングニュアンスが出しやすいモデル)
- SUPREME(クランチ系)
- MAXIMUM(ヴィンテージマーシャル系)
- JUGGERNAUT(メタル系)
- X-CRUNCH (クランチ)
- X-HI GAIN(ハイゲイン)
- X-MODDED(メタル系)
CLASSIC AMP
- JC-120 (ローランドJC-120)
- TWIN COMBO(Fender Twin Reverb)
- DELUXE COMBO(Fender Deluxe Reverb)
- TWEED COMBO(Fender Bassman)
- DIAMOND AMP(VOX AC30)
- BRIT STACK(Marshall 1959)
- RECTI STACK(MESA/Boogie DUAL Rectifier)
CLASSIC AMPは元にしているアンプ名が付いているので、なんとなくの出音が想像できます。
ADVANCED AMPは『アンプライクなサウンドをだすための新テクノロジーAIRD 』の力を感じさせられるモデル群です。
ピッキングの強弱に応じて音が反応してくれるので、安いアンプシミュレーターを使ったときの嫌なコンプ感がかなり改善されています。
チューナーの反応速度の良さ
地味なところでものすごく感激したのが、GT-1000のチューナーの反応速度が非常に良いところ。
ちょっと触っただけでも反応するので、チューニング時に反応してくれないイライラがなくなります。
マルチエフェクターを使っている人で『チューナーだけは別に性能の良い物をペダルボードに組み込んでいる人』って結構いるんですよ。
マルチエフェクター内蔵のチューナーがイマイチ信用できないということでしょう。
GT-1000の「チューナー内部検出精度は±0.1cent」
KORG Pitchblack Advance PB-AD同等の性能です。
BOSSから出ているコンパクトタイプのチューナー(測定精度±1cent)よりも断然高いです。
マルチエフェクター内蔵のチューナーに不安を感じることから解消されます。
公式サイトでもちょこっとしか書かれていませんが、6弦のチューニング具合がひと目で分かる
ポリフォニックチューナーというとTC ElectronicのPolyTuneが思い浮びます。
フローティングさせているギターの場合、一つベグを回すと他の弦のチューニングが狂うのでポリフォニックチューナーは便利なんですよね。
Bluetoothとスマホアプリを使ったサウンド編集
iOS,Android対応のサウンド編集アプリ「BOSS TONE STUDIO for GT-1000」を使うことで
ワイヤレスにサウンド編集が出来ます。
毎回細かいパラメータの調節で腰をかがめてツマミを細かく動かすのを繰り返す苦労から解消されます。
iPadのような画面の広いタブレットを持っていけば、操作画面が更に大きくなりますし見やすさも上がりますね。
KATANA-AIRもBluetoothを使ったワイヤレス仕様が売りでしたが、BOSS製品のBluetooth化が段々進んでいきそうですね。
GT100より更にコンパクトサイズになり軽量化されたマルチエフェクターになった
スタジオ移動で使用するギター用ギグバッグはどれが良いのか比較。SADOWSKY ( サドウスキー ) / GUITAR PORTABAG PLUSを購入レビューで紹介している「サドウスキー GUITAR PORTABAG PLUS 」のポケットにはGT-1000がすっぽり入ります。
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【厳選】スタジオ移動で使用するギター用ギグバッグはどれが良いのか比較。SADOWSKY ( サドウスキー ) / GUITAR PORTABAG PLUSが良かったので購入&レビュー
スタジオ移動で使用するギター用ギグバッグはどれが良いのか比較。SADOWSKY ( サドウスキー ) / GUITAR PORTABAG PLUSを購入レビュー
シールド等小物は入り切らないため、別途持っていくバッグなりエフェクターケースが必要です。
私の場合、外出時の荷物はできるだけ持っていく量を減らしたいと考えているのでマルチエフェクターがギグバッグに入りきるというのは、荷物が減らせるので非常にありがたい材料です。
年を取ると年々重い機材の持ち運びが苦痛になるんですよね。
筐体サイズが小さくなり重量も「GT100の4.8kgから GT1000は3.6kg」へと小型化しました。
この点だけでも買いです。
同価格帯のライバル機であるHelix Floorは6.6kg、HEADRUSH のPEDALBOARDは7.1 kgとフットスイッチ付きマルチエフェクターの中では
かなり軽量化されています。
軽量化されたからといっても、ライブ中にGT-1000を蹴飛ばしてしまって筐体が動くようなことはありません。
動かないようギリギリのラインの重さで設計されているようですね。
マルチエフェクターの持ち運びには苦労してきましたので、良い時代になったとつくづく思います。
OUTPUTは2系統出せる
GT-1000には「MAIN OUT」と「SUB OUT」の独立した2つの出力端子があります。
「MAIN OUT」はフォーン端子 (出力インピーダンス1kΩ 推奨負荷インピーダンス10kΩ以上)を使って、ギター・アンプやミキサーなどに 接続します。
「SUB OUT」は XLR(エックスエルアール)端子(出力インピーダンス600Ω 推奨負荷インピーダンス600kΩ以上)を使ってPA 機器等に接続します。
GT-1000のピュアな音を活かしたいなら「SUB OUT」をPA卓へ送っておき、「MAIN OUT」はギターアンプにつないで
マイキングせずにギターアンプを自分専用モニター用としてつかうやり方も可能。
「MAIN OUT」と「SUB OUT」はそれぞれスピーカー・マイクシュミレーションのどれを使うか?を別々に選べます。(同じでも可能)その時々の環境にあわせた出音が作れます。
この調整はOUTPUT設定の「AIRD OUTPUT SELECT」から選べます。
・AIRD OUTPUT SELECT(スピーカー・マイクシュミレーション)
・グローバルEQ
・OUT LEVEL
の3項目がそれぞれ独立して設定できます。
またヘッドホンから出る音は「MAIN OUT」と「SUB OUT」、「MAINOUT+SUBOUT」が選べます。
「MAIN OUT」と「SUB OUT」で出している音がヘッドホンからも同時になってモニターできます。
「SUB OUT」をつかうときはメニューを開いてLEVEL調整しなければならいなので、
「SUB OUT」専用のツマミがないがちょっと不便です。
またMain OUTPUTのグローバルEQ専用つまみもありませんので出力音の微調整はちょっと不便さを感じるところがあるかも。
グローバルEQ専用つまみに関しては意図的にカットされている印象を受けます。
外部エフェクターの取り込み
GT-1000の本体に用意されているSEND,RETURNに外部エフェクターをつなげると、
GT-1000 のエフェクトの一部として使用することができます。
空間系エフェクター全部入り
BOSSの空間系エフェクターで評価が高いDD-500(ディレイ)、RV-500(リバーブ)、MD-500(モジュレーション)。
それぞれ35,000円するかなり高めのエフェクターですが、同機能の内容がGT-1000にほとんど入っています。
もし3台買い揃えようとするなら、一台にまとまっているGT-1000の方がお得ですよね。