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ジミ・ヘンドリックスの使用機材まとめ|Jimi Hendrix Experienceの伝説的サウンドを生むギター・アンプ・エフェクター

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「ギターでこんな音が出せるのか……」と、初めて聴いたときに衝撃を受けた人も多いはず。ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)は、わずか4年ほどのメジャーキャリアの中で、後のギタリストたちの発想そのものを変えてしまった人物です。

この記事では、ヘンドリックスが実際に使っていたギター・アンプ・エフェクターを、初心者の方にも分かりやすいようにまとめて紹介します。機材をただ揃えるだけでは同じ音にはなりませんが、「なぜその機材を選んだのか」を知ることは、自分の音作りを考えるうえでも大きなヒントになるはずです。

目次

ジミ・ヘンドリックスとは

ジミ・ヘンドリックスは、1960年代後半にThe Jimi Hendrix Experienceを率いて活動したアメリカ出身のギタリスト・シンガーソングライターです。「Purple Haze」「Voodoo Child (Slight Return)」などの楽曲や、1969年のウッドストック・フェスティバルでの伝説的なパフォーマンスで知られています。1970年に27歳で亡くなるまでの活動期間は決して長くありませんでしたが、フィードバックやファズを「ノイズ」ではなく「表現」として使いこなしたその音作りは、今なお多くのギタリストの手本になっています。

先に結論:主な使用機材まとめ

まずはざっくりとした全体像から見ていきましょう。

カテゴリ主な機材
メインギターFender Stratocaster(Olympic White/Black、1964〜1968年製)
メインアンプMarshall Super 100(JTM45/100)ヘッド+4×12キャビネット
主なエフェクターDallas Arbiter Fuzz Face、Vox V846 Wah、Uni-Vibe(Shin-ei製)、Octavia(Roger Mayer開発)
弦・ピックFender ロックンロール150弦、Fenderセルロイドピック(ミディアム)

ここから、それぞれのカテゴリを詳しく見ていきます。

ギター:右利き用ストラトキャスターを左利きで弾く

ヘンドリックスのメインギターは、一貫してFender Stratocasterでした。特に有名なのが、1969年のウッドストックで演奏した白(オリンピック・ホワイト)のストラトキャスターと、1968年10月から1970年の死までメインで使い続けたとされる黒のストラトキャスターです(参考:Ground Guitar)。

ヘンドリックスのギターを語るうえで欠かせないのが、「右利き用のギターを左利きのまま弦だけ張り替えて弾いていた」という点です。ボディの形状は右利き用のままなので、コントロールノブやピックアップセレクターが通常とは逆の位置に来ます。この非対称な配置が、ピッキングの角度やアーム操作のしやすさに独特の影響を与え、結果として彼にしか出せないニュアンスが生まれていたとも言われています。

同じストラトキャスター使いとして知られるギタリストにデヴィッド・ギルモアがいますが、こちらは右利き用のストラトをそのまま使い、コンプやディレイを効かせて伸びのあるロングトーンを追求するスタイル。同じ「ストラト」でも、ヘンドリックスの荒々しさとギルモアの浮遊感はかなり対照的で、比べて聴いてみると機材の個性よりも弾き手の個性がいかに大きいかがよく分かります。

アンプ:マーシャルをフルテンで鳴らす

アンプは、Marshall Super 100(マーシャル初期モデルの流れをくむJTM45/100系ヘッド)を、4×12インチキャビネットと組み合わせて使用していました。1966年秋にマーシャルの創業者ジム・マーシャル本人と直接会い、複数のヘッドとキャビネットを揃えたというエピソードが伝えられています(参考:Far Out Magazine)。

よく語られるのが、ヘンドリックスはアンプのボリューム・トーンのツマミをほぼすべて最大(フルテン)近くまで上げて鳴らしていたという逸話です。当時のマーシャルのヘッドは現在のハイゲインアンプほど歪みを作り込めるものではなかったため、フルテンにした素の音圧と、後述するファズやオクターブファズを重ねることで、あの分厚く暴力的なサウンドを組み立てていたと考えられます。

エフェクター:ワウ→ファズ→ユニバイブの並び

ヘンドリックスのボードは決して複雑ではありませんが、それぞれのエフェクトの「使い方」に強烈な個性がありました。一般的には、ギター→ワウ→ファズ→ユニバイブ→アンプという順番で接続されていたと紹介されることが多いです(参考:Ground Guitar)。

  • Dallas Arbiter Fuzz Face:「Purple Haze」などで聴ける歪みの核となったファズペダル。初期のゲルマニウムトランジスタ版(温かみのある柔らかい歪みになりやすいとされる)と、後期のシリコントランジスタ版(より硬く輪郭のはっきりした歪みになりやすいとされる)の両方を使い分けていたとされています。ファズがどうやって音を潰して分厚くしているのか気になった方は、当サイトのサチュレーションの解説記事もあわせて読んでみると、歪み系エフェクトの仕組みがつながって理解しやすくなるはずです
  • Vox V846 Wah:「Voodoo Child (Slight Return)」の印象的なイントロなど、ワウペダルを単なる「泣き系エフェクト」ではなく、フレーズの一部として使いこなしていました
  • Uni-Vibe(当時はShin-ei製):もともとレスリースピーカーの揺れを再現するために作られたモジュレーション系エフェクターで、1969年以降のライブでより頻繁に使用するようになったと言われています。ウッドストックでの「Machine Gun」的な浮遊感のあるトーンにも、このユニバイブの存在が大きく関わっています
  • Octavia:エンジニアのRoger Mayerが開発したオクターブファズ。「Purple Haze」や「Fire」のソロで聴ける、1オクターブ上の倍音が混ざったような特徴的な音色を生み出しています

エフェクターの数自体はそこまで多くありませんが、「歪みを重ねる」「ワウをフレーズに組み込む」「オクターブ成分を足す」という3つのアプローチを組み合わせることで、当時としては前例のない音の幅を作り出していたことが分かります。

弦・ピックへのこだわり

弦はFenderのロックンロール150弦、ピックはFenderのセルロイド製ピック(ミディアムサイズ)を使用していたとされています。派手なエフェクターボードの裏で、こうした基本的な部分は意外とオーソドックスな選択をしていたのも興味深いポイントです。

同時代のギタリストとの違い

ヘンドリックスと同じ1960年代後半のブルース/ロック・シーンを支えたギタリストとしてエリック・クラプトンが挙げられます。クラプトンがブルースの語法を丁寧に磨き上げていくタイプだとすれば、ヘンドリックスはフィードバックやファズといった「ノイズ」寄りの要素まで積極的に音楽の一部として取り込んでいくタイプ。同じ時代に活動していたからこそ、機材へのアプローチの違いがそのまま音楽性の違いとして表れているのが面白いところです。

まとめ

ジミ・ヘンドリックスの音作りは、左右逆に張り替えたストラトキャスター、フルテンのマーシャル、ワウ・ファズ・ユニバイブ・オクタビアという少数精鋭のエフェクター群、そしてFenderの弦とセルロイドピックというオーソドックスな選択という、機材数自体はシンプルな組み合わせでした。それでもあれほど独創的なサウンドになったのは、「機材をどう鳴らすか」「どう組み合わせるか」に対する発想そのものが規格外だったからだと言えるでしょう。

「歪みを重ねて音圧を作る」「ワウをフレーズの一部として使う」という考え方は、現代のギター・DTM環境でも十分に応用できる部分です。──同じ機材を全部揃えることはできなくても、ヘンドリックスの機材の「組み合わせ方」の発想だけは、今日からでも真似できるはずです。

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