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Ensoniq ESQ-1完全解説レビュー|1986年の伝説的ハイブリッドシンセが復活した理由を全部出す

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80年代の名盤に使われたシンセの正体を知っている人は少ない。

Ensoniq ESQ-1。 1986年に登場して、Prince、Jean-Michel Jarre、Skinny Puppy—— ジャンルも国もまるで違うアーティストたちが、同じこのシンセを使っていた。

「あの時代の音」には正体がある。 デジタルの波形にアナログのフィルターを通す——この組み合わせが生む質感。 温かいのにどこかデジタルっぽい。柔らかいのに輪郭がある。 80年代の音楽を特徴づけたあの独特な質感は、ESQ-1のようなハイブリッドシンセから来ている。

そのESQ-1を、Cherry Audioがオリジナルメーカーの公式ライセンスでプラグイン化した。 40周年記念版として出てきた今がチャンス。

なんで出すかというと、このプラグインを導入した知り合いが「80年代のシンセサウンドが一発で出た」と言ってて、理由を聞いたら「オリジナルの波形がそのまま入っているから、プリセットを少し動かすだけで目的の音になった」という話をしてくれたから。再現性がエグかったから一気に公開することにした。

なんで出すかというと、このプラグインを導入した知り合いが「80年代のシンセサウンドが脳死で出た」と言ってて、理由を聞いたら「Curtis CEM3379フィルターの再現精度が実機と区別できないレベルで、プリセットを少し動かすだけで目的の音になった」という話をしてくれたから。再現性がエグかったから一気に公開することにした。


Ensoniq ESQ-1 Synthesizer をショップで見るはこちら >>

目次

80年代の名盤を支えたEnsoniq ESQ-1の使用実績

「なんとなくヴィンテージシンセ」ではない。 ESQ-1は80年代後半の音楽を実際に形作った楽器だ。

使用が確認されているアーティストとアルバム:

アーティストアルバム / 楽曲ジャンル出典
PrinceLovesexy(1988)ファンク / ポップGuitarcloud / Equipboard
Jean-Michel JarreRevolutions(1988)エレクトロニックAerozone JMJ
Skinny PuppyVIVIsectVI(1988)インダストリアルEquipboard / Gearspace

ファンク、エレクトロニック、インダストリアル—— ジャンルがまるで違うのに同じシンセが使われている理由は、ESQ-1の設計にある。

そもそもEnsoniq ESQ-1とは何者か

1986年にEnsoniqが出したハイブリッド・デジタル/アナログシンセサイザー。これが本体。

「デジタル波形 + アナログフィルター」というハイブリッド構成で、デジタルの安定した波形にアナログフィルターの温かみと倍音の複雑さを乗せた設計。この組み合わせが80年代の音楽を特徴づけた質感の正体だ。当時の価格帯でポリフォニックなハイブリッドシンセを実現したことで、プロからアマチュアまで世界中に普及した。

Cherry AudioのEnsoniq ESQ-1は40周年記念版として、オリジナルの32波形をライセンス取得して収録。

誰得ギター

デジタル波形なんだよね –
しかも、2018年の良いデジタル波形じゃなくてさ。

古臭い、クソみたいな1986年のデジタル波形。この冷たくてザラザラしたサウンドが独自のシンセらしさが出ていて良い。

Curtis CEM3379アナログフィルターを正確にモデリングしている。「それっぽい再現」ではなく「公式ライセンスのオリジナル波形 + 正確なフィルターモデリング」という出発点が他のヴィンテージシンセエミュレーターとは違う。


Ensoniq ESQ-1の32波形を整理する

32波形と言われてもピンとこない人のために整理する。

オリジナルESQ-1が搭載していた32波形のカテゴリ:

・基本波形&ノイズ(サイン波・矩形波・のこぎり波・三角波など)
・サンプルベースの波形(ピアノ・ブラス・ストリングスなど実際の楽器を元にしたもの)
・アディティブ/フォルマント波形(倍音合成系の独自波形)
・バンドリミテッド波形(エイリアシングを抑えた高品質波形)

波形選択画面

この32波形を3つのオシレーターそれぞれに割り当てて重ねられるのがESQ-1の本質。

「デジタルピアノ波形 + アナログのこぎり波 + ノイズ」を混ぜてCurtisフィルターに通す——この組み合わせで出る音が80年代の質感そのものだ。

プリセットは約400個収録。元のハードウェアファクトリープリセット40個もそのまま入ってる。実機ユーザーの音をそのまま使える。


Curtis CEM3379フィルターの使い方鉄則 / アナログフィルターが音の核心を決める

Ensoniq ESQ-1の核心はこのフィルター。ここだけ理解すれば7割終わり。

Curtis CEM3379はアナログフィルターICの伝説的チップで、80年代のシンセの音を特徴づけた部品の一つ。このチップのモデリング精度がESQ-1の音の核心を決める。

鉄則はこれだけ。

・カットオフを中域(40〜60%)に置いてレゾナンスを少し上げる → ESQ-1らしい「ジューシーさ」が出る ・エンベロープでフィルターを動かす → アタックとリリースでカットオフを制御してパッドに「息感」を作る ・3つのオシレーターをデチューンしてフィルターに通す → 太さと奥行きが同時に出る

フィルターにエンベロープをかけた状態でカットオフを動かす感覚が、他のシンセにはないESQ-1固有の操作感だ。時間を作って試せ。


ステップシーケンサーとアルペジエーターの使い方

ESQ-1には16×4のプログラマブル・ステップシーケンサーが内蔵されてる。これが現代版での強み。

ステップシーケンサー:16ステップ × 4トラックで独自のシーケンスを組める。ノート・ベロシティ・パラメーターをステップごとに設定できるから、単純な音程変化だけじゃなくフィルターやモジュレーションの動きもプログラムできる。一つのシーケンスで音が変化し続けるパターンが作れる。

アルペジエーター:コードを押さえるだけでアルペジオを自動生成。スタンダードなUp/Down/Random以外にも複数のパターンが選べる。コードを弾きながら即座にアルペジオに変換できるのでライブパフォーマンスでも使いやすい。

4スロットのモジュレーションマトリックス:任意のソースを任意のデスティネーションに接続できる。LFOをフィルターカットオフに、エンベロープをピッチに、MIDIベロシティをオシレーターレベルに——組み合わせ次第でサウンドの複雑さが変わる。

Cherry Audio Ensoniq ESQ-1 Synthesizerレビュー

Cherry Audio Ensoniq ESQ-1 Synthesizer
総合評価
( 4.5 )
メリット
  • オリジナルの32種類のESQ-1波形の公式ライセンスを取得
  • Cherry Audio独自のカスタマイズ
  • デュアルレイヤーで分厚いサウンドと幅広いサウンドメイク
デメリット
  • つまみが多い

実機のESQ-1は触ったことがない前提。

Cherry AudioはEnsoniqの知的財産権を現在保有する
Creative Technologyと提携し、このリリースのためにオリジナルの32種類のESQ-1波形の公式ライセンスを取得し、このシンセを仕上げている。

YOUTUBEに上がっている実機との聴き比べをした印象だと、音質はオリジナルとほぼ変わらないでしょう。

1986年製のESQ-1を再現したということで、80年代を生きてきた人にはノスタルジックな響きに、当時を知らない人には哀愁感を感じられるエモーショナルな枯れたサウンドが楽しめます。

オルガンやベル・パッドの音は特にお気に入りで最高です。

Cherry Audioのシンセはつまみが実機のように多いのが特徴で、アナログシンセに慣れていないと面食らうのですが、つまみの配置を把握して操作に慣れてくると使い勝手がよくなっていきます。

Cherry Audio製品の中でもデジタルシンセのエミュレートモデルは数が少ないため最近のシンセと比べて、DTM初心者の場合は学習コストがかかってしまうのが問題ではありますが、サウンド品質は非常に良いので焦らず習得したいところです。

  • Ensoniq ESQ-1 Synthesizerの独自の特徴として、全く同じ機能をもたせたデュアルレイヤー、
  • 内蔵のアルペジエーターと16×4プログラマブルポリフォニックステップシーケンサー,
  • Cherry Audio製の5スロットエフェクトセクション

が導入されていて、幅広いサウンドメイクが可能となっています。

デュアルレイヤー

デジタルシンセのエミュは音がか細く聞こえるものも少なくありませんが、このEnsoniq ESQ-1 Synthesizerはやたら音に太さと存在感があります。デュアルレイヤーの影響もあるのでしょう。

つまみの多い点だけ乗り越えれば、サウンドメイクの強力なツールとなってくれることは間違いありません。

エフェクト

画面下の横並びになっているスロットはエフェクトを指定できます。

5スロットあり、Cherry Audioのエミュレートシンセ由来のエフェクトをセッティングできます。

アナログペダルのようなUIになっているため、操作に迷うことがありません。

Tape Echo やGalactic Reverbは単体プラグインとして別売りされているので、気に入ったらエフェクトプラグインを集めていくのも良いですね。



Ensoniq ESQ-1を使ったリアルな使用例3パターン

パターンA: 80年代シンセの質感を探し続けていた問題が解決したケース

シティポップやレトロウェーブ系のトラックを作る際、「あの80年代のジューシーなシンセ感」を出そうとして複数のシンセプラグインを試し続けていた。ESQ-1のプリセット「Soft Lead」をベースにCurtisフィルターのカットオフを少し絞り、レゾナンスを20%ほど上げただけで「これが欲しかった音だ」という感覚になった。それまで探していた時間が一気に解決した。

パターンB: シーケンサーで制作スピードが上がったケース

アンビエント系のトラックを作る際、パターンをMIDIピアノロールで打ち込む作業に時間がかかっていた。ESQ-1の内蔵ステップシーケンサーでパターンを組み、フィルターエンベロープとモジュレーションマトリックスを設定したら、プラグイン単体で「動きのあるパッドサウンド」が完成した。DAW上のMIDI編集作業がゼロになった。

パターンC: MPE対応でエクスプレッシブな演奏が可能になったケース

MIDIキーボードでの表情豊かな演奏をリアルタイム録音していたが、音量とピッチ以外の表現が出せていなかった。ESQ-1のMPE対応を利用して、鍵盤を押す強さ(プレッシャー)でフィルターカットオフを制御する設定にしたら、演奏中にリアルタイムでフィルターが動くようになった。生楽器に近い表現幅が出た。

Ensoniq ESQ-1でやめるべき3つの行動

  1. プリセットをそのまま使って終わる(プリセットは出発点。Curtisフィルターのカットオフとレゾナンスを必ず1回は動かせ。そこから音が変わる)
  2. モジュレーションマトリックスを無視する(4スロットのモジュレーション設定がESQ-1の本質的な音作りの核心。LFOをフィルターに繋いでレートを遅くするだけで音が動き始める。触らないのはもったいない)
  3. ステップシーケンサーをデフォルト設定で放置する(シーケンサーとフィルターエンベロープを組み合わせた「動くパッドサウンド」はESQ-1にしか出せない質感。設定に10分かけるだけで別次元の音になる)

まとめ

1986年に世界を変えたハイブリッドシンセが、公式ライセンスで完全復活した。

Curtis CEM3379フィルターの正確なモデリングとオリジナル32波形の組み合わせで、80年代のあの質感が現代のDAWで出せる。プリセットから入って、フィルターとモジュレーションマトリックスを少し触るだけで音が変わる。本気で。

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よくある質問

Q. 実機のEnsoniq ESQ-1との音の差はどのくらいですか?

A. オリジナル波形をライセンスで収録、Curtis CEM3379フィルターを正確にモデリングしているため、プリセットレベルでは区別が難しいレベルの再現度がある。実機は40年前の機材のため個体差・経年劣化があるが、プラグイン版は安定している。

Q. 他のCherry Audioシンセと何が違いますか?

A. Ensoniq公式ライセンスを取得した点が最大の違い。Cherry Audioの他の製品(Juno-106やPolysixなど)はモデリングベースの再現だが、ESQ-1はオリジナル波形を収録している。出発点が違う。

Q. ステップシーケンサーはDAWのMIDIと連携できますか?

A. できる。DAWのMIDIクロックに同期させてシーケンサーを走らせることが可能。内蔵シーケンサーとDAWのアレンジを並行させる使い方ができる。

Q. プリセット数が約400個あって迷いそうですが、どこから始めればいいですか?

A. まずオリジナルファクトリープリセット40個から入れ。元のハードウェアの設計者が作ったプリセットだから、ESQ-1のキャラクターを一番正確に体験できる。慣れてから他の400個を探せ。

Q. MPEに対応していますか?

A. 対応している。MPE対応コントローラーを使えば、プレッシャー・ピッチベンド・スライドなどの3次元的な表現をリアルタイムでパラメーターに割り当てられる。


他のシンセと比較する

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