『Sonokinetic Sordino Strings』レビュー!弱音器をつけた音色が優しく繊細で表現力豊かなストリングス音源
Sonokinetic Sordino Stringsは弱音器(ソルディーノ)の装着をした音を再現するストリングス音源(Muted Orchestral Strings)です。
Kontakt Playerで動作するこの音源は
– 16 Violins I (9+7)
– 12 Violins II (7+5)
– 10 Violas (6+4)
– 10 Celli (6+4)
– 8 Basses (5+3)
の構成で組まれています。4マイクポジション(Close/Decca tree/Wide/Balcony (Far))・24.3GB と容量は大きめです。
Sordino Strings の良い点
・弱音器をつけた音のため音色が優しく繊細
・Divisi対応 で 第2バイオリンまでそろっている構成
・フレーズRUN機能あり
Sordino Strings の悪い点
・Sordino Strings独特のキーを覚えないといけない
・ファイルサイズが大きいため読み込みに時間がかかる
・他社の音源と比べると初期ボリュームが小さい
Sordino Strings サウンドデモ
サウンドデモでは「Lib Only」になっているものがSordino Stringsのみで再現されている曲です。
Sonokinetic Sordino Strings レビュー
Sonokineticには「Orchestral strings」という名前のストリングス音源があり、その兄弟製品でもあるのがこの「Sordino Strings」です。


Sordino_Strings


Orchestral strings
「Orchestral strings」を所有している人でも明らかに音色が違い用途が異なります。
表現力できる幅が違いますので入手する価値はあります。
「Sordino Strings」は【弱音器をつけた音のため音色が優しく繊細】なサウンド。


弱音器 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B1%E9%9F%B3%E5%99%A8
そのため力強い音は苦手、というか出ません。
奏法の種類も「Orchestral strings」と比べると数が少ないのですが、システムはMIDIエクスポートを除いて同じものです。
Divisi対応、Play/Phrases/Runsモードを切り替えて鳴らすことになります。
Sonokineticの音源はインターフェイスが独特なので最初はマニュアルをさらっと見ておくのをおすすめします。
Sordino Strings Playモード
Sordino Strings – Tutorial Series Spot On – Play
他のストリングス音源同様に音を指定して鳴らすモード。
中央のSonokineticロゴを押すとPlayモードに切り替わります。



ビブラートの指定はできません。

Play Modeではキースイッチを切り替えて演奏方法を指定します。
多彩なキースイッチの切り替えでストリングスの表現にこだわることができるのですが、キースイッチに慣れていないと扱いがちょっとむずかしいです。
水色になっている箇所が各楽器で演奏できる音域です。
複数のキースイッチで演奏方法を指定するため、最初にキースイッチのマッピングをしておいたほうが後々楽に作業できます。

Divisiは基本Autoで細かい調整をしたいときにA,Bと分けて設定できます。
Divisiは設定項目以外にキースイッチで切り替えできます。
■Using the Keyswitches on
• C#6 – Div A
• D6 – Auto Divisi
• D#6 – Div B
またレガートのタイプが選べます。
全音E6~A#6の緑色のキースイッチでもタイプを切り替えることができます。
キースイッチ | 詳細 |
---|---|
E6 | オートレガートは、音と音の間の速度が600msを超えるとスラーからショートに切り替わり、ベロシティに応じてポルタメントに切り替わります。ベロシティの設定によりポルタメントに切り替わります。 |
F#6 | shortは、弓を使った微妙なレガート |
G#6 | slurredは、ポルタメントをベースにしたやや叙情的なレガート |
A#6 | ポルタメントは最も長いスラーです。 |
紫色のキースイッチ | 選択されたレガート設定を示します。 |
Sordino Strings Runsモード

【ストリングスの駆け上がりフレーズ】を表現するモードです。
ストリングスセクションならではの表現です。
しかし駆け上がりのMIDI打ち込みはとにかく面倒くさいのが難点。
この面倒くさい点を解消できるのがこのRuns機能です。



動画はOrchestral Strings のものですがRuns機能自体は同じです。(Orchestral Stringsでは可能なRunフレーズ生成したものをMIDIエクスポートする機能はSordino Stringsにありません)
プレイアブルエリアでの鍵盤の長押し
次に別の鍵盤を弾くと、これらの音符の間で再生されます。
レガートで演奏すると、ランを連鎖させることができます。
コードエリアでコードを演奏すると、スケールはその場で更新されます。
Sordino Strings Phrasesモード

同じフレーズが続くときに使える機能。
演奏パターンを登録後、押さえたコードにしたがって自動でコードを切り替えて登録したフレーズを鳴らしてくれる便利機能。
この機能で繰り替えされる同じパターンの打ち込みの手間を省くことができます。
コードは黄色の鍵盤のエリアで指定します。
公式の動画にPhrasesモードで演奏している例があります。
Sordino Strings 7:04より Phrease モード
設定画面
右下の水玉模様のエリアをクリックすると設定画面が表示されます。
divisiのON/OFFのやダイナミクスのコントロールなどを指定します。
チューニングは442.0Hzが初期設定です。

Sordino Strings のまとめ
独自の操作方法を覚える必要がありますが、Sonokinetic Sordino Stringsは優しい表現力の高いストリングスライブラリです。
ストリングスの音源としては手に入れやすい価格帯なのも嬉しい点です。
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