iZotope Neutron4に上げる価値はあるか?セール・レビュー・新機能紹介
2022年6月2日にiZotope Neutron4 が発表されました。
NeutronはAIミキシング機能が人気のチャンネルストリッププラグイン。
前バージョンのNeutron3も人気のプラグインだっただけに、どれくらいの性能拡張がされているのか気になるところです。
iZotope Neutron4に上げる価値はあるか?
気になるのがNeutron3を持っている人がNeutron4へアップグレードする意味はあるのかな?という点。
結論から言うと「Neutron愛用者は考える暇なくアップグレードしてしまっても後悔しません」
Neutronの導入検討をしていたDTM初心者も問答無用で飛びついて長く付き合っていけるプラグインです。
Neutron4になりミックスの時間のかかる工程が非常に単純化されているので、
今までNeutronを使っていてちょっと面倒くさい工程と感じる箇所が省略されています。
・コンプレッサー
・EQ(ダイナミクスEQ込み)
・エキサイター
・トランジェントシェイパー
・ゲート
・スカルプター
・Unmask
が個別トラックに適応できるので予算の節約にもなりますし、1つのプラグインを使い続けることで耳の基準が出来上がり今後新規に追加していくプラグインを選ぶときの比較対象もできます。
iZotope Neutron4の新機能
ポイント
・AIミキシング画面が大幅に変化。ミックスアシスタントを使う前に選ぶTrack EnhanceとBlanceの項目がなくなった
・AI実行後、Tone Matchの画面に切り替わり大まかに微調整ができるようになった
・Unmaskエフェクトモジュール追加(Side chaineによるUnmask)
・個別エフェクトの強化
iZotope Neutron4のシグナルフロー
クリックして再生で終わり!超簡単なAIミックスアシスタント
Neutronの売りになっているAIミックスアシスタント機能。
DAW上の曲を鳴らしてNeutron側で「こんな感じにミックスしたら良いよ」と提案される内容からミックス状態を詰めていく機能です。
Neutron4のAIミックスアシスタントはNeutron3に比べて不自然さを感じなかったのが最初の印象でした。
アシスタント処理が気に入らなかった場合に再度読み込みも早く、設定後の微調整を詰めていく箇所では操作している時クオリティが向上しストレスが少なくなっています。
AIミキシングが終わった後どうする?
というところがNeutron3にはありました。
Neutron4ではミックスアシスタントが終わったあとにTone Matchの画面が表示されます。
「Tone Match」はそれぞれの楽器らしさが出るEQへ簡単に音を近づけ音を似せる機能です。
赤い線がNeutron4で提案しているTone Matchで、白線がDAW上で鳴らしている楽器の波形。
スライダーを左右に動かすだけで、音の印象をガラリと変えられる単純な使用です。
提案されたサウンドが気に入らないと感じたら「Tone Match」のスライダーをあわせていくだけ。
楽器ごとのサウンドメイクを簡単に詰めていくことができます。
「Tone Match」の参照元は自分の手持ちにあるオーディオデータを読み込めプリセットを拡張していくことができます。
「Tone Match」はそこまで極端に上げずに数%単位で調整していく感じです。
土台の音が決まったら画面下にあるエフェクト「Punch(エキサイター)」「Distort(サチュレーション)」「Width(ステレオイメージャー)」で全体の質感を整えます。
特にDistortの効きはめちゃくちゃ変化が分かりやすいです。
【音の帯域かぶりを探して自動カットしてくれる】新モジュール「Unmask」
プロでやっている専門ミキシングエンジニアではない人なら絶対使いたくなるであろう個人的にイチオシ機能です。
Neutron3に楽器同士のマスキング表示をする機能がパワーアップ!
Neutron3では帯域がかぶっている箇所を表示するマスキング表示の機能がありました。
しかし、そこから何をどうしたら良い?となってしまった人も少なくないはずです。
Neutron4からは「Unmask」を使うことで”かぶっている帯域のカット処理”までしてくれる機能へ進化しています!
Neutron3のマスキング表示機能は、マスキング表示させる2つのトラック両方にNeutron3を挿す必要がありました。
Neutron4ではサイドチェインを使ってターゲットのトラックを決めるため、片方だけNeutron4を挿せばOK。
この機能は【ミックス時にどこをカットして良いかわからなくなったとき】に役立ちます。
また「Unmask」は帯域指定ができるので、カットしすぎだなと感じたときの戻しや、カットしてほしくないときの調整幅が自在に設定できます。
前述のとおりサイドチェイン入力で設定していくため、マスキング対象の音が入ってきた時だけUnmaskが実行されます。
マスキング対策で音量上下させるためにオートメーションを書いてボリューム調整をしていく手間を減らせます。
下の画像例は ベースのトラックにNeutron4を使い、サイドチェインでギターBusを指定しています。
ギターがベースとかぶっている帯域の処理をしている例です。
薄く赤くなっている箇所がマスキング処理される場所で、Neutron3までは『自分でEQ処理を加えないといけなかった』ことが
Unmaskモジュールを追加しサイドチェインで楽器指定をすると即処理が終わります。
エフェクトプラグイン強化
エキサイター(Trash Mode)やコンプ(Punch Mode)の機能が拡張されています。
CPU負荷
下の画像はマスタートラックに5つのエフェクトを実行しているだけのNeutron4のCPU負荷です。
iZotope Neutron4に上げる価値はあるか?まとめ
ミックスアシスタントのAI処理が賢くなっているのと、Unmaskの機能だけでもアップグレードの価値はあると感じました。
Neutron4から今までElements,Standard,Advancedなどグレード別に分かれていたのがなくなり一本化されているため、Neutron4で使えるプラグインが個別トラックに使えます。
これは今までAdvanced版だけ出来た機能です。どれもミックス時に良く使うプラグイン!
Neutron上位版は使えるエフェクトを単体プラグインとして利用できます!
複数プラグインがまとめてGETできると考えるとかなりお得で、長く付き合っていけるプラグインです。
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