Nectar 4 Advanced レビュー＆新機能・グレードの違いの解説！

ボーカルのエフェクトに何を使っていいかわからない、
ボーカル処理をコスパ良く時短したい！

こういったわがままな願いを叶えてくれるのがボーカルプロセッサープラグインの『iZotope Nectar』です。

2023年９月『iZotope Nectar』がメジャーアップデートし「Nectar 4」になりました。

誰得ギター

「Nectar 4」はボーカル処理に必要となるエフェクトを網羅した全部入りプラグインです。

Nectar 4 Advanced

何が違う？追加された『iZotope Nectar 4 Advanced』の新機能

NectarではNectar内で使えるエフェクトを「モジュール」と呼んでいます。
使いたいモジュールを組み合わせてNectar上で実行していく使い方になります。

Nectar 4の新機能

• Audiolensを使ったボーカルトーンマッチング
• Voicesモジュールでボーカルを簡単にレイヤー化
• ミックスの一貫性を保つために Auto-Level モジュールを使用する
• Backer モジュールを使用して AI を活用した人工バックグラウンド シンガーを作成する
• 新しいボーカル アシスタントを使用して、簡単かつ強力なボーカル プロダクションを実現

Nectar 4 Advanced 4のレビュー

誰得ギター

Nectar3 Plusに比べてかなり多機能になりました。

決まり切っているテンプレパターンがいくつかあるなら良いのですが、ボーカルのエフェクトチェーンを作るのは地味に大変です。
このボーカルのエフェクトチェーンを簡単にAI処理にまかせて1クリックで作れるのがNectar４の良い所。

AI処理の場合はボーカル用途のエフェクトなのでそこまで極端に変化しません。
ボーカルトラック単体で再生すると違いがわかりにくいと思います。
他のトラックを再生しながら調整していくことになります。

下の画像はNectar4のAI処理実行後の画面です。
AIが提案して設定した内容を土台にして、好みの設定にカスタマイズしていけます。
音色調整・リバーブ調整・ダイナミクス調整・ハモリ調整がワンノブまたはXYPADで直感的に操作できます。

Nectar4のAI処理実行後の画面

細かく設定を追い込む場合には詳細設定画面を開いて、それぞれのエフェクトモジュールを調整していきます。

ボカロのような合成音声ソフトだとわかりにくいですが、
録音時のレベル調整をする【オートレベラー】と【Unmask機能】が優秀です。

オートレベラーはどうしてもボリュームレベルに差が出てしまうボーカルトラックの音量バランスを整えてくれる機能。
そしてUnmask機能は主旋律とハモリパート両方にNectar4を挿して実行することでマスキングして聞こえにくくなっている主旋律とハモリパートのバランスを自動で整えてくれます。

Nectar4 プリセット

気になる点としては、多機能になった分「Nectar 4,Ozone11」にしてからCPU負荷が上がっているように感じました。
CPUが弱めなPCを使っている場合はDAW以外のアプリを立ち上げていないか気をつけてください。
バッファサイズに余裕を持たせてからNectar4を実行するのが無難です。
AUの場合に動作不安定なときがあるのでこの辺りはアップデート待ちです。

Nectar 4 Advancedにすることの恩恵はまだまだあり、Advanced版のみですが、Nectar 4で使っているエフェクトモジュールを個別のプラグインとして利用できます。
他のトラックにも利用できるようになるため手持ちエフェクトが少ない人は魅力的に感じる機能だと思います。

モジュールをバラして使えるのはiZotope製品のOzone,NeutronのAdvanced版共通仕様でNectar4もこの機能が追加されています。

Nectar 4 Audiolensを使ったボーカルトーンマッチング (全エディション対応)

曲の周波数帯域を目で見て確認できる「Audiolens」プラグインと連携して、「Audiolens」で解析した周波数帯域のボーカルリファレンスを真似しトーンマッチングができるようになります。

既にOzoneやNeutronではAudiolensと連携ができるため、この連携のNectar版が使えるようになりました。

Nectar4 Voicesモジュール ( Standard・Advanced）

・動画では2:56からVoicesモジュール解説

Voicesモジュールを使うことで、簡単な操作でボーカル用のレイヤーを作ってかっこよく聞かせられるようになります。

Nectar4 ALM (Auto Level module) ( Advancedのみ)

ボリュームバランスを整えるに手間がかかるボーカルトラックの音量を揃えて、クリーンで自然なサウンドにしあげる機能です。

Nectar4 Backer モジュール( Standard・Advanced）

・動画では5:00からBackerモジュール解説

人工のバックグラウンドシンガーを作れるモジュール。

8つの異なるスタイルから選択するか、独自のアカペラをインポートしてサウンドをさらにカスタマイズします。

言語は英語だけとなっているのが残念ですが、それでも充実したボーカルラインを構築するのに役立つ機能です。

Nectar 4 Standard ,Advanced 機能のグレード別比較

誰得ギター

AdvancedだとNectarのモジュールを１つのプラグインとして利用できます。

Nectar4の新機能

Backerモジュール

Voicesモジュール

Vocal Assistant

Pitch Correction

Experience

Global

Vocal Unmask

EQ

Delay

Dimension

Compressor

Gate

Saturation

Reverb

Auto-Level

Breath Control

De-esser

iZotope Music Production Suite

iZotope製品は単体で集めていくよりバンドル版で一度に手に入れた方が断然お得です。
「iZotopeMusic Production Suite」では音楽制作に必要となるエフェクトプラグインを網羅したバンドルです。

Nectar 4 は買い方のパターンがいっぱい